株式会社ナンバーワンソリューションズが新規格のブロックチェーン「SYNCHAIN(シンチェーン)」アルファ版を開発
この記事の目次
NFTの課題を解決するブロックチェーン「SYNCHAIN」のアルファ版を開発
~量子コンピュータによる改ざんリスクを防御、ユーザーによるデータ管理を実現~
SYNCHAIN開発の背景
ブロックチェーンは耐改ざん性のあるシステムとして、様々なデジタル決済やNFTマーケットプレイスなどの基盤として広く使われています。しかし、セキュリティの問題を内包したままになっているのが現状です。
ブロックチェーンの問題として挙げられているのは、スケーラビリティの問題や量子コンピュータ耐性がないこと、中間者攻撃を防ぐことができないことです。そのため、現在でもハッキングやフィッシング詐欺により、大きな被害が出ています。
既存の課題の解決策として、当社で新しいブロックチェーン「SYNCHAIN」を開発しました。新しいセキュリティ技術で、開発者や利用者などのすべての人に等しく金融、情報、機会を提供できるインフラ開発を推進します。その第一段階として、昨今のWeb3の潮流の中でも鍵となる、NFTの課題について解決します。
現在のNFTの課題
NFT市場は年々拡大の一途を辿っています。BNPパリバの調査会社L’Atelierによると、2021年の取引額は176億ドル(約2兆円)に膨れ上がり、前年比21,000倍と脅威的な成長を遂げています。急激に成長しているNFT市場ですが、現状のNFTには次の解決されていない課題が残ったままです。
1.デジタルデータの保有はできない
本来、NFTは唯一無二の価値が確保されるトークンですが、実際はトークンの中身はIDとメタデータのURLのみです。NFTの購入者は秘密鍵だけでNFTを管理していて、必ずしもデジタルデータを保有しているわけではありません。NFTマーケットプレイスのクローズやデジタルデータのすり替わりにより、NFTの価値が消失するリスクがあります。
2.NFTの唯一無二の担保がない
NFTのデジタルデータが重複していない証明として、NFT発行元もデータが唯一無二のものであることを担保する必要があります。
3.オンチェーンNFTの限界
最近一部で起こっているブロックチェーンにデジタルデータ自体をアップするオンチェーンNFTでは、発行コストが高く、運用保守費用が高くなります。たとえ現状コストが低いチェーンを使ったとしても、増え続ける膨大なデータ量を永続的に維持することが難しく、いずれ破綻するリスクがあります。
4.ハッキングのリスク
最大手NFTマーケットプレイス「OpenSea」では、2022年2月19日に大規模なフィッシング詐欺が発生し、総額2億円のNFTが254個盗まれる事件が発生しました。OpenSeaが修正しようとしていたWyvern Protocolの「大部分が白紙状態の売買契約書を送付できる」という、いわば白紙の小切手を送りつけられる仕様を利用し、被害者に署名だけ行わせて攻撃者側で落札額をゼロに設定するという手法が採られたとみられています。
NFTゲームの『アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)』を運営するSky Mavis社は、2022年3月27日に、同ゲームで使用される「Ronin Network」が外部からハッキングされたことを発表。「USDC」と「ETH」を合計で6億ドル以上(円換算で約700億円超え)不正に引き出されました。
NFT市場は拡大していますが、前述の欠点や課題を抱えていることは紛れもない事実です。
当社はこのような欠点や課題を解消するため、研究を重ねた結果、新たな技術を開発しました。
NFTの既存の課題を解決する「SYNCHAIN」
当社が開発した技術は、ブロックチェーンのこれまでの課題を解決することができる新しいブロックチェーン「SYNCHAIN」です。当ブロックチェーンには次のような特徴があります。
1.デジタルデータの保有を可能に
従来は、NFTのデジタルデータはサーバー側にだけ置かれ、NFTの購入歴を証明するだけに留まることが一般的であり、オーナー本人のデバイス・データ空間内に「保有」している状態ではありませんでした。
従来のものに対しSYNCHAINではNFTをIDの数値データ+画像や動画などのデジタルコンテンツと定義した際、利用者のブラウザ側にコンテンツそのものを保存することが可能となっています。実際にコンテンツデータを手元に保管することで、紛失防止及び耐改ざん性の向上に寄与します。
2.NFTの唯一無二性を証明
SYNCHAINでは、誰が作成したコンテンツであるかを証明するために、クリエイターの情報を付与したデジタルデータを発行します。NFTの状態を説明するメタデータ(会社・製作者・タイトル・作成日・出展元・報酬マージン等)をデジタルコンテンツにも記載するブロックチェーン透かし機能を実装します。
また、真贋証明を行った現物に対してNFTを紐づけ流通させることで、唯一無二の真贋証明を持つNFTを創出し、取引を実現できます。
3.オンチェーンNFTを低コストで実現
通常のブロックチェーンのノードサーバーの要件は、ハイスペックなサーバーが要求されます。一方SYNCHAINでは低スペックなサーバーでブロックチェーンを構築して運用が可能です。
SYNCHAINでは、分散型ストレージを安全かつ効率的に併用しブロックチェーンノードを構成することで、サーバー費用を抑え、低コストでブロックチェーンのアプリケーションを開発することができます。これにより、データ容量が膨大になるオンチェーンNFTであっても、持続可能な形で管理、運用することが可能になります。
4.ハッキングを防ぐ十分なセキュリティ対策
量子コンピュータによりブロックチェーンが破られる可能性があると言われているため、すでに量子耐性を掲げるブロックチェーンがいくつか開発されています。
国際的に、量子コンピュータ対策の研究は、主に格子暗号、コード暗号、多変量暗号、ハッシュベースの署名暗号に焦点を当てて考えられています。これらはどこまでも計算量に依存した安全性のため、新しい計算アルゴリズムや量子コンピュータの性能により解読される可能性は残存しています。
SYNCHAINのセキュリティは、上記の技術と一線を画した耐量子コンピュータ技術を利用しています。一言でいうと、「無限に時間をかけても破られない暗号技術」(情報理論的安全性)で構築されています。
また、従来の暗号方式は、公開鍵を様々な暗号方式で受け渡ししています。何らかの通信をしているため、中間者攻撃を完全に防ぐことができず、ハッキングされる可能性があります。SYNCHAINの通信方式は、鍵配送をしない暗号通信により、中間者攻撃を防ぐことが可能です。
ブロックチェーンのスケーラビリティの課題も解決した「SYNCHAIN」
SYNCHAINでは、ブロックチェーンのスケーラビリティの問題についても対応しています。既存のブロックチェーンがフルノード型に対して、当社のSYNCHAINはデータをファイルごとに分散管理をする台帳方式を採用しているため、遅延なく高速なトランザクション処理を実現しています。理論値で4,000TPSでトランザクション処理をすることが可能です。
SYNCHAINアルファ版を開発
当社では、以上の観点から、既存のNFTとブロックチェーンの課題を解決し、より安全かつ低コストで持続性、汎用性の高い金融アプリケーションのプラットフォーム、エンタープライズ領域でも利用可能なNFTとしても展開していきます。
今後、開発したSYNCHAINのアルファ版を利用し、独自のNFTマーケットプレイスの開発と、SYNCHAINの利用を希望する事業者に対してAPIの提供を行っていきます。
株式会社ナンバーワンソリューションズについて
- 会社名:株式会社ナンバーワンソリューションズ
- 本社所在地:〒153-0043 東京都目黒区東山3-15-1出光池尻ビル7F
- 代表取締役:面来哲雄(おもらい・てつお)
- 設立:2002年7月
- 資本金:5,000万円
- 連絡先:TEL .03-6412-8470 FAX .03-6412-8471
- URL:https://no1s.biz
- 事業内容:Web3・ブロックチェーン開発事業
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