ベネッセ/【たまひよ妊娠・出産白書2021 調査報告第2弾 ~出産・育児をめぐる母親の意識編~】約7割の母親が今の日本を「産み育てにくい社会」と回答 経済的負担以外に、育児を両立しにくい職場環境も大きな要因

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ベネッセ/【たまひよ妊娠・出産白書2021 調査報告第2弾 ~出産・育児をめぐる母親の意識編~】約7割の母親が今の日本を「産み育てにくい社会」と回答 経済的負担以外に、育児を両立しにくい職場環境も大きな要因

周囲の支援環境がよい人ほど「もう1人以上ほしい」傾向も強い

 株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:小林 仁)の妊娠・出産・育児事業を展開する「たまひよ」は、2020年秋に全国の乳幼児をもつ母親約2,000人を対象に、2020年春以降における生活・意識調査を実施しました。本調査では、新型コロナウイルスによる影響、産前・産後での母親の不安、配偶者の育休を含めた育児環境など幅広いテーマについて母親の声を調査、分析しています。
 「たまひよ」では、これらの調査結果と分析を「たまひよ 妊娠・出産白書2021」としてまとめ、3回シリーズで発表いたします。先日発表した第1回「新型コロナウイルス感染症の出産・育児への影響」に続き、第2回のテーマは「出産・育児をめぐる母親の意識」で、主な調査結果サマリーは以下のとおりです。最終回となる第3回では「男性育休・育児参加の実態」を発表予定です。
 ※詳しい調査レポートはこちらのサイトよりご覧ください。https://st.benesse.ne.jp/press/content/?id=91868
  • 調査概要

調査名 : 「たまひよ 妊娠・出産白書2021」
期間/エリア/手法 : 2020年10月29日~2020年11月2日 全国、インターネット調査
調査対象者 : 20~39歳で2019年5月~2020年10月に第1子を出産した女性2,060名
※グループ分け:2020年5月~10月に出産(緊急事態宣言解除前後、解除後)/ 2019年11月~2020年4月に出産(通常期・新型コロナウイルス感染症拡大期)/ 2019年5月~10月に出産(通常期)
 

  • 【主な調査結果】※詳細は下記をご覧ください

データ1 : 日本は「子どもを産み育てやすい社会だと思わない」母親が約7割。経済面での支援や、職場や周囲の理解を求める声が多い。一方で、もう1人以上子どもがほしい人も7割超え
・現在の環境が、出産・育児をしにくいと感じている母親が全体で約68%。理由としては、経済的な支援、子育てと両立しにくい職場環境や雰囲気の改善、支援拡充などが声としてあがっていた。そのほかフリーアンサーでは、妊産婦に対する社会の不寛容な雰囲気についても悲痛な声が多く寄せられた。一方で、子どもをもう1人以上ほしいと考える母親も76%と多かった。とくに周囲、配偶者の支援に満足している人ほどその傾向が強く見られた。

データ2 : 産後の就労意向は約8割と高いが、仕事再開に対しての不安も大きい
・産後の母親の就労意向は80.5%と高いが、仕事再開について不安をもつ人も80.9%と非常に多い。不安の理由として最も多かったのは「育児、家事、仕事の両立ができるか不安」だったことから、このような状況も「産み育てにくい」と感じる要因をつくる1つだと考えられる。

データ3 : 出産・育児を通じて充実感や幸福感を得る一方で、孤独感をもつ母親も約3割
・ほぼすべての母親が「出産してよかった」と答えており、出産・育児に対してポジティブ(楽しい・幸せ)にとらえている。一方で、最近注目されている「産後うつ」にも関連するといわれる「孤独感」「子育てへの負担感」をもつ人も約3割いることがわかった。「2020年に関心をもった妊娠・出産に関するニュース」の質問に対する回答でも「産後うつ」は第1位であった。
 

  • 調査結果をうけて

出産ジャーナリスト 河合 蘭氏

「ママ・パパはもっと現状について自分たちの声をあげていい」
 調査結果にもある通り、今の日本では、2人目3人目がほしくてもあきらめる人が少なからずいます。とくに教育に関するお金の負担は大きく、子どもを産み育てることの大きな足かせとなっています。このような現状を、多くのママ・パパが言葉にして、地域や会社、社会に伝えることが大切だと思います。
 また、夫婦間でもまだまだコミュニケーションに不足があるのかもしれません。日本では、まだ昔ながらの“言わなくても察してほしい”という文化が根強いように感じます。それは男性だけでなく、女性も同じ。互いの立場でできること、できないこと、それに対する不安や対策などを、夫婦が互いに言葉にして伝え合うことが、各家庭での育児・家事のベストバランスにつながります。出産・育児は大変なことですが、楽しさや喜びも多いものです。2人で“負担を背負う”のではなく、“楽しみや喜びを分け合う”という目線で、コミュニケーションが取れるといいと思います。

ひよこクラブ編集長 柏原 杏子

「ネガティブ回路をくい止め、チーム育児を支援したい」
「もう1人子どもがほしいけど、今の環境では育てにくい」「働きたいが、不安も大きい」「子どもを産んでよかったけど、孤独も感じる」など、子育て世代のポジティブな気持ちと、それを抑圧する力がせめぎ合っていることを感じます。マイナスの力がプラスの心を覆いつくさないようにくい止める支援をすること、そしてママ・パパたちが育児をポジティブに感じられる瞬間を増やせるようにすることが大切と考えます。「たまひよ」としては、サポートとなり得るサービスやグッズ、知識などの情報提供を行い、ママ・パパたちがホッとできる瞬間を増やしていきたい。コロナ禍で刻々と家庭の状況は変わっています。そしてアフターコロナでは、また大きな変化があるかもしれません。その時代に対応した「チーム育児」のかたちを提案していくつもりです。

<御参考>
■「たまひよ」についてhttps://st.benesse.ne.jp
妊娠・出産・育児ブランド「たまひよ」は、創刊27周年を迎えた雑誌『たまごクラブ』『ひよこクラブ』とともにWEBニュース「たまひよONLINE」、アプリ「まいにちのたまひよ」のほか、マタニティや内祝い通販事業、写真スタジオなど、妊娠・育児における情報サービスを幅広く提供しています。

■「たまひよ」は、“チーム出産育児”を推進していますhttps://st.benesse.ne.jp/27th/
「たまひよ」では「ミカタを増やそう! チーム出産育児」をテーマに、27周年キャンペーンを実施。お客さまの声をもとに制作した動画の配信を行っているほか、SDGs企画「たまひよとつくる こどものミライ」サイトで、コロナ禍で困難をかかえる子どもたちを支援する企画を展開。また、コロナ禍の妊娠育児中の方を支援する特設コーナー(https://tmhy.jp/covid)を設置し、感染症予防情報やたまひよ公式YouTubeチャンネルで「妊娠・育児動画」を配信しています。

◆データご利用時は 「たまひよ 妊娠・出産白書2021」を必ず明記ください。

  • データ詳細

1 : 約7割の母親が、経済的負担や両立しにくい育児環境(職場、家族)などの理由から、今の日本を「産み育てにくい環境」と感じている。一方で、子どもを「もう1人以上ほしい人」も多く、とくに周囲のサポートを得られている人ほどその傾向が強い
・現在の環境が、「出産・育児をしにくい」と感じている母親が全体で67.9%。理由としては、経済的な負担、職場環境、育児支援制度や保育施設の不足などが挙がった。コロナ禍の出産時期や年収、年齢など、属性に関係なく、産み育てにくいと感じている。出産・育児しにくい環境ではある一方、さらに子どもをほしいと思う人も多い(76.1%)。今よりも子どもをほしいと思わない人に理由を聞くと、経済的な負担や心身の負担が重いとの声が多かった。周囲のサポートがある人、配偶者の職場環境がよい人のほうが、現状を「産み育てやすい」と感じ、将来的にもう1人以上子どもがほしいと考える傾向があり、今回の調査からは国の支援以外に、職場も一体となった支援を求めていることもわかった。

 

「日本は産み育てやすい社会だと思わない」回答理由 フリーアンサーより
■子どもが泣いていると嫌な顔して見られることがある。子どもが熱で保育園から電話がかかってきた時など、職場の人に陰口を言われる
■小さな子どもを連れていると見知らぬ人に育て方について小言を言われるなど、日本では子どもに対して周囲からの理解や歓迎が受けられないと感じることがある。助けてくれたり、支援を手厚くしてとは言わないが、攻撃的になるのはやめてほしい
■男性が仕事を休みづらいこともあって、結局、母親が家事と育児の両方の負担をすごく感じていると思う
■育休取得に否定的な会社などが存在している事実が、男性であるという理由だけで父親は責任を問われることがないことを示している
■保育園になかなか入れないし、フルタイムと子育ての両立は大変だから短い時間で仕事に戻りたいが、そうすると保育園は入りにくくなり認可外にいれるしかなくなるが、今度は収入がたりなくなる
■働き方は変わっているのに育て方は変化していない。男性の育児参加は名ばかりだし、少子化対策とは言うが経済的負担は大きい。妊娠にも子育てにも理解のない職場、人が多い
■赤ちゃん連れのお母さんに嫌がらせをする人がいたり、妊婦さんに暴力を振るう人がいる。赤ちゃんの泣き声のクレームなどが多いと感じる
■出産や育児のためにキャリアを諦めなければいけない雰囲気や、女性が家事育児をするという風潮がいまだに根強いと感じる

2 : 産後は働きたいが、仕事再開への不安も大きい。育児・家事との両立に不安が約8割
・産後、家庭外でいずれかのかたちで働きたい(働く)意向のある人は80.5%と多い。また、配偶者・パートナーの就労意識についても同時にきいたところ、夫婦間での大きな意識差はなかった。働きたい意欲がある母親は多い一方で、仕事再開に不安をもつ人も80.9%と非常に多いことも事実で、主な不安としては「育児、家事、仕事の両立」「子どもの預け先」などが挙がった。また、仕事復帰にあたり、職場の支援・配慮を十分と感じているのは40.8%。共働き家庭が主流となるなか、出産後の女性にとって「家事・仕事」に「育児」と担う役割が増え、その後の生活に不安をもっていることがわかる。

3 : 妊娠中はいつでも不安。産後は幸せ・楽しさを感じる一方、孤独感や負担感を抱える母親も約3割
・全体の83%が妊娠中に不安があったとしている。出産時期での差もなく、どの属性でも不安や心配を抱えている不安定な状況といえる。
・出産については全体の97.9%が「産んでよかった」と回答し、母親の年齢や世帯年収別でも大きな差はない。育児について「楽しい・幸せ、充実している」と感じる人は全体で90%前後。とくに年齢別では、年齢若い母親ほど子育てをポジティブにとらえている傾向がある。
・不安意識については、「自分の時間がほとんどなくつらい」「子どもの成長に不安がある」「子育てを負担に感じる」「孤独を感じる」人はいずれも約30%~40%。とくに「孤独感」は世帯年収が低いほど高く出ており、また職業別では専業主婦でも高い(36.8%)ことが特徴。2020年に気になったニュースでも「産後うつ」が1位だったことから、産前産後の母親にとって孤独感は見逃せない問題であると考えられる。

※ポテサラ論争(子ども連れの母親が総菜コーナーでポテトサラダを買おうとしたところ高齢の男性に「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と言われたという出来事を見かけた女性がSNSに投稿し話題になった)
※イクメンのフリだけ夫(イクメンと言われていた芸能人のスキャンダルなど)

 

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