レコテック株式会社 のSDGsへの取り組み、PCR材の活用に向けた資源の回収実証事業を開始

VOIX編集部 小川望海VOIX編集部 小川望海 公開 SDGs
レコテック株式会社 のSDGsへの取り組み、PCR材の活用に向けた資源の回収実証事業を開始

アジアのプラスチック問題解決に向け、ベトナムでプラットフォームを活用した資源回収実証を開始

EPR政令施行に向けたPCR材*1の利用拡大を促すための、調達課題の解決とマテリアルリサイクルループの構築

レコテック株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:野崎 衛、以下「レコテック」)は、JUNK & CO, Vietnam. ltd ​​(取締役社長:中村 貴敏、​以下「JUNK&CO」)と共同で、ハノイ都市環境社 (代表:Nguyen Huu Tien、以下「URENCO」)のサポートのもと、PCR材*の活用に向けた資源循環プラットフォームによる資源の回収実証事業を開始しました。

*1ポストコンシューマーリサイクル材。家庭から排出される材料、または製品のエンドユーザとしての商業施設、工業施設及び各種施設から本来の目的のためにはもはや使用できなくなった製品として発生する材料。これには、流通経路から戻される材料を含む。

背景

昨今、海洋プラスチック問題の深刻化からプラスチックごみの削減と再利用が喫緊の課題となっています。イギリスのエレン・マッカーサー財団は2016年の報告において、「現在のスピードでプラスチックの利用を進めた場合に、2050年までには海中のプラスチックの重量と魚の重量が等しくなる」という衝撃の試算を発表しました。このような状況を受け、世界中でサーキュラー・エコノミー化を進め、持続可能な社会にするために様々な取り組みが活発になっています。(図1参照)

図1:各国のプラスチック規制の状況

これらの潮流を受け、特にグローバルに事業を展開する大手企業はリサイクルしやすい材料や代替素材への切替え、PCR材の使用比率向上に向けて取り組む必要に迫られています。(図2参照)

図2:「New Plastics Economy Global Commitment」参加企業のうち、年間プラスチック消費量トップ10社のPCR材利用率の2025年目標値と2019年時点の実績

ベトナムの廃棄物に関する状況

ベトナムでは、経済発展による都市ごみが深刻化しており、ベトナム天然資源環境省(MONRE)の統計によると、ホーチミン市では2017年と比べ、2020年には廃棄物が15%増加しました。さらに回収された廃棄物の7〜8割はオープンダンピングされており、不衛生な最終処分場の管理状態です。こういった現状から海洋プラスチック問題においても世界4位の流出国と推計されており*2、排出者責任を明確化した抜本的な対策が喫緊の課題になっています。

こうした状況に対応すべく、新たに拡大生産者責任 (EPR : Extended Producer’s Responsibility、以下EPR法)に関する政令が、2020年11月に国会にて可決し、2022年2月1日から施行予定です。この政令によって、製造業者は、自ら製品・梱包材のリサイクルを行うか、製品や梱包材のリサイクルを支援するためにベトナム環境保護基金に資金拠出を行うかの2つの方法から選択する必要があります。

EPR法をはじめとした廃棄物管理政策の持続可能な運営のためには、財源の確保が重要になります。ベトナム政府及びウレンコでは法令施行に向け廃棄物の回収からリサイクル、再利用までのチェーンを構築し、責任と費用配分を明らかにするために、IoTを活用した見える化を進め現状把握をできる体制を構築することが求められると考えられます。
*2 Plastic waste inputs from land into the oceanから参照

本実証の概要

・実証期間      :2021年9月 ~ 2021年12月(予定)
・目的            :EPR政令の施行に向けた資源回収プラットフォームの可能性調査
・実施体制      :
レコテック : POOLシステムを提供し、資源回収効率の最適化、トレーサビリティの確立によって、製造業者などの需要家が資源を活用  しやすい資源循環スキームをデザイン。
URENCO : 国営企業として、建設局又は環境資源局に属し、地域又は都会での廃棄物の収集、運搬及び処理についての資源の管理責任をもつ。
JUNK&CO         : URENCOから委託を受け、POOLシステムを活用して、ベトナムでの資源回収を実施。

POOLシステムについて

図3 : システムの管理画面POOLシステムは、排出者がごみの種類・量・発生場所などの情報を記録するためのWebアプリケーションです。記録されたごみの種類・量・発生時間などの情報が地図上にマッピングされて見える化されます。店舗ごとにカスタマイズが可能で、小さい作業負荷でごみの計量管理が始められます。蓄積されたデータはグラフや集計表などに加工することで、ごみの発生抑制対策の検討、報告書作成などに役立ちます。(図3参照)

図3 : システムの管理画面

今後の展望

資源循環プラットフォームの導入によって、都市資源の賦存量を可視化し、流通全体を管理することで、トレーサビリティを担保したPCR材の安定的な供給を実現します。資源循環の出口(需要家)の要求からバックキャスティングした回収リサイクルの仕組みを設計することで、持続可能な資源循環と経済循環を構築します。税制の変革などで自社製品へのPCR材の活用が喫緊の課題である製造業者や、廃棄物を焼却ではなくマテリアルリサイクルに回す必要がある排出事業者にとって、課題の解決策となるサービスを展開予定です。プラットフォームを活用して、最適な資源循環スキームを構築し、静脈循環のCO2の排出量削減を実現し、脱炭素都市への移行に貢献します。(図4参照)

図4:理想の姿

各社情報

ハノイ都市環境社

・代表             |Nguyen Huu Tien
・設立             |1960年
・事業内容       |ハノイ市の環境管理、廃棄物収集と処理
・URL             |https://urenco.com.vn/en/

JUNK & CO, Vietnam. ltd

・CEO             |中村 貴敏
・設立             |2020年
・事業内容       |卸売業、再資源化事業、及び貿易業
・URL            | https://www.junk-brothers.com/

レコテック株式会社

・代表             |野崎 衛
・設立             |2007年
・事業内容       |廃棄物対策コンサルティング、環境機器・プラント導入支援
・URL           |https://www.recotech.co.jp/

【本件に関するお問合せ先】
レコテック株式会社 広報担当:大村
メールアドレス:info@recotech.co.jp

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【SDGs について】   SDGs について
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「地球上の誰一人取り残さない」ことを基本理念として、2015年9月に国連に加盟する全ての国が全会一致で採択した、17のゴールと169のターゲットから構成された国際目標です。
2030年までの達成を目指して、国・自治体・企業や団体などがSDGsの目標およびターゲットとしてゴールを設定した「SDGs宣言」を策定および公表し、様々な取組みを行っています。 中小企業においても、社会的なSDGsへの取り組みに対する関心の高まりから、企業イメージの向上や新たな事業機会の創出につながりを見据え、多くの企業がSDGsへの取り組みを推進しています。
SDGsへの取り組みについて厳密な取り決めはないので、どこから始めどのように進めてよいかわからないと思います。 SDGsに取り組む方法やメリットやデメリット、中小企業での必要性など詳しくは「SDGs宣言の方法やメリット、許可や例文」で解説しています。
SDGsの目標や取り組み内容を決め、SDGs宣言を策定して公表することで対外的にアピールする方法については、「SDGs宣言の公表とアピール方法」で解説しています。
各企業ごとのSDGsへの取り組み状況の診断から進め方、SDGs宣言の策定、PR支援まで細かくサポートしてもらえる「SDGs支援サービス」を行っている金融機関も多いので、法人口座を開設している取引先銀行に相談してみるのも良い方法です。

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VOIX編集部 小川望海

VOIX編集部 小川望海

VOIX編集部のライフ/SDGs担当ディレクターとして活動中。大手広告代理店に在籍していたこたともあり、情報感度には自信あり。
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