エヌエヌ生命保険が中小企業におけるSDGsへの取り組みに関する調査を実施
この記事の目次
全国の中小企業におけるSDGsへの取り組みに関する調査を実施、エヌエヌ生命保険 のSDGsへの取り組み
SDGsの認知率は約5割、実施率は約1割。従業員のモチベーション向上に効果
※本調査では、従業員300人未満の規模の「会社経営者(社長、会長、取締役)」、または「従業員のいる自営業者」を中小企業経営者と定義しています。
調査結果まとめ
- 新型コロナウイルス感染症による影響で会社の資金需要が「発生した」のは39.9%で、前回調査(8月上旬に実施)と比較するとやや増加。過去の調査と比較しても微増し続けている
- 中小企業経営者におけるSDGsの認知率は47.0%。SDGsを初めて聞いたのは「ここ1~2年(2020年~2021年)」が最も多い
- SDGsに関する施策に取り組んでいる中小企業は1割(10.4%)。SDGs認知率との差は-36.6ポイントと、認知率に比べて実施率は大幅に低い結果となった
- 取り組んでいる・取り組む予定の施策は「環境に関する施策」が最も多く48.8%。取り組んで得られたメリットは「従業員のモチベーション向上」(41.0%)が最も多い
- 中小企業がSDGsに関する施策に取り組んでいない理由は「何をしていいかわからないから」が約半数(46.7%)。次いで、「取り組むメリットがわからないから」(32.1%)
調査結果詳細
(1)新型コロナウイルス感染症による影響で会社の資金需要が「発生した」のは39.9%で、前回調査(8月上旬に実施)と比較するとやや増加。過去の調査と比較しても微増し続けている
中小企業経営者7,228名に、新型コロナウイルス感染症の影響で資金需要は発生したか聞いたところ、資金需要が「発生した」と回答したのは39.9%で、前回調査(8月上旬実施)よりもやや増加(+1.8ポイント)していました。過去におこなった同様の調査と比較すると、2020年3月から4月にかけて大幅に増加し、その後は微増傾向が続いています。
また、資金需要が「発生した」の回答率を都道府県別に見ると、山形県が最も高く(57.7%)、次いで沖縄県(52.5%)、鹿児島県(52.4%)でした。
また、資金需要が「発生した」と回答した2,887名に、実際に利用(活用)した資金調達方法について聞いたところ、最も多かったのは「持続化給付金(経済産業省)」(55.0%)で、次いで「新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)」(35.4%)、「自治体の協力金・見舞金」(18.9%)でした。
(2)中小企業経営者におけるSDGsの認知率は47.0%。SDGsを初めて聞いたのは「ここ1~2年(2020年~2021年)」が最も多い
中小企業経営者7,228名に、SDGsについて知っているか聞いたところ、「知っている」と回答したのが47.0%で約半数でした。一方で、「知らない」と回答したのは23.1%でした。
また、「知っている」の回答率を都道府県別にみると、沖縄県が57.4%で最も高く、次いで東京都(56.6%)、滋賀県(54.8%)でした。
さらに、SDGsを「知っている」「聞いたことがある(内容は知らない)」と回答した5,558名に、SDGsを初めて聞いたのはいつ頃か聞いたところ、「ここ1~2年(2020年~2021年)」が69.6%で最も多い結果となりました。
(3)SDGsに関する施策に取り組んでいる中小企業は1割(10.4%)。SDGs認知率との差は-36.6ポイントと、認知率に比べて実施率は大幅に低い結果となった
中小企業経営者7,228名に、SDGsに関する施策に取り組んでいるか聞いたところ、62.8%が「取り組んでいない・検討や予定もない」と回答しました。一方で、「取り組んでいる」と回答したのは1割(10.4%)にとどまり、SDGs認知率(47.0%)と比較すると-36.6ポイントと、大幅に低い結果となりました。
また、「取り組んでいる」の回答率を都道府県別に見ると、岩手県が19.4%で最も高く、次いで島根県(17.8%)、長崎県(16.4%)、沖縄県(16.4%)でした。
(4)取り組んでいる・取り組む予定の施策は「環境に関する施策」が最も多く48.8%。取り組んで得られたメリットは「従業員のモチベーション向上」(41.0%)が最も多い
SDGsに関する施策に「取り組んでいる」「取り組んでいないが、今後の取り組みを検討・予定している」と回答した2,687名に、取り組む施策について聞いたところ、約半数(48.8%)が「環境に関する施策」と回答しました。
さらに、SDGs施策への取り組み状況別に取り組む施策をみると、すでに施策に取り組んでいる749名の74.4%が「環境に関する施策」と回答し、今後取り組みを検討・予定している1,938名の回答率(38.9%)と比べて35.5ポイントも回答率が高い結果となりました。
また、SDGsで掲げられている17の目標のうち、取り組む施策にあてはまる目標を聞いたところ、「働きがいも経済成長も」(42.2%)、「すべての人に健康と福祉を」(40.6%)が4割を超えました。
次いで、それぞれ3割程度で、「つくる責任、つかう責任」(35.3%)、「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」(33.6%)、「住み続けられるまちづくりを」(32.6%)、「ジェンダー平等を実現しよう」(29.3%)でした。
また、すでに施策に取り組んでいると回答した749名に、SDGs施策に取り組んで得られたメリットについて聞いたところ、「従業員のモチベーション向上」が41.0%で最も多い結果となりました。
なお、SDGs施策に取り組んで得られたメリットについて、すでに取り組んでいる施策別に見ても、すべての施策で「従業員のモチベーション向上」が最も多い結果となりました。
(5)中小企業がSDGsに関する施策に取り組んでいない理由は「何をしていいかわからないから」が約半数(46.7%)。次いで、「取り組むメリットがわからないから」(32.1%)
SDGsに関する施策に「取り組んでいない」と回答した4,541名に、取り組んでいない理由について聞いたところ、約半数(46.7%)が「何をしていいかわからないから」と回答し、次いで「取り組むメリットが分からないから」と回答したのが32.1%でした。
また、中小企業がよりSDGsに取り組みやすい状況になるためにはどういったことが必要だと思うか聞いたところ、「補助金や税免除など、公的機関からの経済支援」が38.1%で最も多く、次いで「公的機関からの案内・報道など、中小企業の取り組み事例紹介の増加」(19.5%)でした。一方で、「なにもない・取り組む必要を感じない」と回答したのは37.9%でした。
【調査概要】
調査対象:日本全国の中小企業経営者
※従業員300人未満の規模の会社経営者(社長、会長、取締役)または従業員のいる自営業者
サンプル:全国7,228名
調査方法:インターネット調査
実施時期:2021年11月26日~11月29日
※回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。
※上位5都道府県の算出には小数点第3位以下を含めた数値を反映しております。
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SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「地球上の誰一人取り残さない」ことを基本理念として、2015年9月に国連に加盟する全ての国が全会一致で採択した、17のゴールと169のターゲットから構成された国際目標です。
2030年までの達成を目指して、国・自治体・企業や団体などがSDGsの目標およびターゲットとしてゴールを設定した「SDGs宣言」を策定および公表し、様々な取組みを行っています。 中小企業においても、社会的なSDGsへの取り組みに対する関心の高まりから、企業イメージの向上や新たな事業機会の創出につながりを見据え、多くの企業がSDGsへの取り組みを推進しています。
SDGsへの取り組みについて厳密な取り決めはないので、どこから始めどのように進めてよいかわからないと思います。 SDGsに取り組む方法やメリットやデメリット、中小企業での必要性など詳しくは「SDGs宣言の方法やメリット、許可や例文」で解説しています。
SDGsの目標や取り組み内容を決め、SDGs宣言を策定して公表することで対外的にアピールする方法については、「SDGs宣言の公表とアピール方法」で解説しています。
各企業ごとのSDGsへの取り組み状況の診断から進め方、SDGs宣言の策定、PR支援まで細かくサポートしてもらえる「SDGs支援サービス」を行っている金融機関も多いので、法人口座を開設している取引先銀行に相談してみるのも良い方法です。
※VOIXもSDGsの取り組みを行っています。
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VOIX編集部 小川望海
VOIX編集部のライフ/SDGs担当ディレクターとして活動中。大手広告代理店に在籍していたこたともあり、情報感度には自信あり。