ASTRA FOOD PLAN 株式会社、食品ざんさ再生装置『過熱蒸煎機』の販売を開始
この記事の目次
“かくれフードロス”問題解決実現へ、ASTRA FOOD PLANが食品ざんさ再生装置『過熱蒸煎機』の販売を開始
フードロス問題の中で未着手とされる「不可食部分のアップサイクル」を可能にする、過熱水蒸気を利用した新技術装置
本装置は、風味の劣化と酸化、栄養価の減少を抑えながら、食品の乾燥と殺菌を同時に行うことが可能で、高い生産効率と大幅なコストダウンも実現しました。「食品ロス量」にカウントされない野菜の芯や皮、ヘタをはじめとする不可食部分を、付加価値の高い食材にアップサイクルします。
食品ざんさの廃棄に課題を抱える事業者に『過熱蒸煎機』を販売すると同時に、本装置で作られる新たな食品原料「過熱蒸煎パウダー」の用途開発を食品メーカーと協力して行うことで、“かくれフードロス”問題の解決を目指します。
可食部フードロスの4~5倍以上におよぶ“かくれフードロス”の実態
コンビニエンスストアや量販店で売れ残りなど、本来食べられるのに廃棄されている食品を集計した日本国内の「食品ロス量」は、2019年時点で約570万トンと推計されています。一般的にフードロスとして認知されているのは上記の「可食部」のロスですが、一方で2018年に農林水産省がまとめた「食品廃棄物等の利用状況等(平成30年度推計)」によると、野菜の芯や皮、ヘタなど「不可食部分」を含む「食品由来の廃棄物等」の総量は2531万トンと、可食部分のロスの約4~5倍におよびます。さらに産地で発生している規格外、生産余剰作物等を含めると膨大な量の“かくれフードロス”が存在しています。
(参考)
農林水産省『~食品ロス量(令和元年度推計値)を公表~』(2021年11月30日)
https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/211130.html
消費者庁『食品ロスについて知る・学ぶ』
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/
農林水産省『食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢』(2021年9月)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaishoku_shokubunka/attach/pdf/index-109.pdf
これまで不可食部のアップサイクルが未着手だった理由
野菜の不可食部や製品製造時に出る食品ざんさのアップサイクルのためには、乾燥が有効な手段となりますが、従来技術ではコストが高く費用対効果が悪いとされてきました。
たとえば代表的な乾燥技術の一つであるフリーズドライでは、乾燥時間が丸一日かかるためランニングコストが高く、量産化のためには装置を巨大化しなければならずイニシャルコストも大きくなります。
安い、はやい、うまい。『過熱蒸煎機』3つの特徴
『過熱蒸煎機』は、以下の3つの特徴により、野菜の不可食部分や、米ぬか、果物の搾りかす、飲料ざんさにいたるまで、高付加価値化した食材にアップサイクルすることが可能です。
1.食材の風味の劣化と酸化を防止
数百度の高温スチーム 過熱水蒸気を用いることで食材の酸化を抑え、栄養価の損失と風味の劣化を防ぎます。食材によっては旨味成分が増加し、ビタミンE、β-カロテンや葉酸などの栄養価が、熱風乾燥を用いた場合と比較して高いことも分かっています。
2.低コスト、高い生産効率を実現
ボイラーレスの過熱水蒸気発生装置を開発し、熱風と併用することでエネルギー効率が極めて高い乾燥・殺菌技術を実現。連続式で生産効率が高く、従来型乾燥技術のコストの課題をクリアしました。
3.スピード殺菌乾燥
過熱蒸煎機での食材への加熱時間はわずか5~10秒。短時間加熱で食材の劣化を抑えながらも、過熱水蒸気の効果でしっかりと殺菌ができるので安全に加工できます。
過熱蒸煎パウダーの用途開発にも取り組む
“かくれフードロス”の解決には、乾燥殺菌技術だけではなく「過熱蒸煎パウダー」の使いみちが必要です。現在、ASTRA FOOD PLANは装置の販売だけでなく、食品メーカーとの用途開発にも取り組んでいます。
ある大手食品メーカーとの試作テストでは、白菜のざんさとなっている芯と外葉は、過熱蒸煎機で乾燥後、煮出すことでうま味の強い出汁が取れることがわかりました。現状は多額のコストをかけて産業廃棄物として棄てていた白菜のざんさを用いて、他の過熱蒸煎パウダーと組み合わせた野菜出汁の開発が進められています。
※「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6534112号
ASTRA FOOD PLAN代表取締役 加納千裕よりコメント
この度は、前身から長年にわたって研究開発してきた過熱水蒸気技術を活かし、新装置の実用化が実現したことを大変嬉しく思います。テストマーケティング期間で幾度にもわたる試作を繰り返し、高品質・高付加価値・高コストパフォーマンスを実現した過熱蒸煎技術に大きな手ごたえを感じております。
課題は、食品ざんさを過熱蒸煎してアップサイクルする事業者と、「過熱蒸煎パウダー」を用いて新たな製品を生み出す企業とのマッチングです。食品業界で商品開発をしてきた私自身のバックグラウンドを活かしながら、用途開発の支援とマッチングに力を注いでまいります。
フードロス問題の解決は1社ではできませんが、複数社が繋がることで可能になると考えています。装置販売と用途開発を並行して進めることで、既存のサプライチェーンの形を壊さずに、業界全体として“かくれフードロス”問題を解決する持続可能な「仕組みづくり」に取り組んでまいります。
製品概要
- 製品名:過熱蒸煎機
- 発売日:2022年4月4日
※『過熱蒸煎機』カタログダウンロードはこちら
https://www.astra-fp.com/download/
ASTRA FOOD PLANについて
ASTRA FOOD PLANは、過熱水蒸気技術を用いた食品乾燥装置『過熱蒸煎機』(※特許出願中)を開発・販売しています。装置の販売だけでなく、フードロスをはじめ食の問題解決のための持続可能な仕組みづくりに取り組んでいます。
【会社概要】
- 会社名:ASTRA FOOD PLAN株式会社
- URL:https://www.astra-fp.com/
- 本社所在地:埼玉県富士見市鶴瀬東1-10-26
- 代表取締役:加納千裕
- 設立:2020年8月
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SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「地球上の誰一人取り残さない」ことを基本理念として、2015年9月に国連に加盟する全ての国が全会一致で採択した、17のゴールと169のターゲットから構成された国際目標です。
2030年までの達成を目指して、国・自治体・企業や団体などがSDGsの目標およびターゲットとしてゴールを設定した「SDGs宣言」を策定および公表し、様々な取組みを行っています。 中小企業においても、社会的なSDGsへの取り組みに対する関心の高まりから、企業イメージの向上や新たな事業機会の創出につながりを見据え、多くの企業がSDGsへの取り組みを推進しています。
SDGsへの取り組みについて厳密な取り決めはないので、どこから始めどのように進めてよいかわからないと思います。 SDGsに取り組む方法やメリットやデメリット、中小企業での必要性など詳しくは「SDGs宣言の方法やメリット、許可や例文」で解説しています。
SDGsの目標や取り組み内容を決め、SDGs宣言を策定して公表することで対外的にアピールする方法については、「SDGs宣言の公表とアピール方法」で解説しています。
各企業ごとのSDGsへの取り組み状況の診断から進め方、SDGs宣言の策定、PR支援まで細かくサポートしてもらえる「SDGs支援サービス」を行っている金融機関も多いので、法人口座を開設している取引先銀行に相談してみるのも良い方法です。
※VOIXもSDGsの取り組みを行っています。
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VOIX編集部 小川望海
VOIX編集部のライフ/SDGs担当ディレクターとして活動中。大手広告代理店に在籍していたこたともあり、情報感度には自信あり。