株式会社さかうえ が取組む「里山牛プロジェクト」が「Sustainable Japan Award 2022」の優秀賞を受賞
この記事の目次
地域資源を最大限活用した「里山牛プロジェクト」がThe Japan Times「Sustainable Japan Award 2022」で優秀賞を受賞
持続可能な社会のために農業ができること from 鹿児島県 志布志市
当アワードは、先進的且つ持続可能な取り組みを行う企業、団体、個人を表彰するもので、The Japan Timesの英文記事を通じてその活躍が国内外へ発信されます。
「里山牛プロジェクト」を中心としたサステナブルな事業活動が評価され、弊社では初の受賞となりました。
▼Webページ
「Sustainable Japan Award」優秀賞の受賞について
今回受賞した「里山牛プロジェクト」では、荒廃していく中山間地域に牛(現在は黒毛和牛)を放牧することで里山の保全を目指しています。
また牛に与える粗飼料(草主体の飼料)を自給することで、地域資源を最大限活用した持続可能な畜産事業が可能となっております。
2019年の取組開始以来、順調に認知度と売上を伸ばし、百貨店のお中元・お歳暮で取り上げていただく等、幅広いお客様からご評価をいただいております。
受賞理由(The Japan Times Webサイトより)
里山牛プロジェクトにおいて、黒毛和牛を耕作放棄地(遊休農地)に放牧し、自給飼料で飼育していることなど地域資源を最大限活用していることが評価された。
2019年9月、自社が位置する鹿児島県志布志市で高齢化や人口減少に伴い離農者が増加した遊休農地を有効活用する方法として放牧するスタイルの畜産を開始。
またそれに加えて輸入穀物の価格高騰や世界的に問題になっているグレインフェッドビーフ(穀物肥育牛)が業界の問題となる中で、この畜産で生じる糞尿を堆肥化し、農産物栽培に活用する循環型農業も実施している。
地域資源を最大限活用した持続可能な畜産事業を可能とした里山牛プロジェクトのモデルを志布志市で確立させ、他地域にも波及させることで、日本の地域が抱える課題を解決することを目指している。
株式会社さかうえ 代表取締役 坂上隆 コメント
この度はこのような素晴らしい賞をいただき誠にありがとうございます。
里山牛プロジェクトでは、日本人が大切にしてきた自然と人との調和を象徴する「里山」の保全を目指しています。
自然のエネルギーが牛を生かし、そのエネルギーが肉に姿を変え、人を生かす。ひと昔前は当たり前のように里山で見られた日常の中で、持続可能な社会がすでに成立していました。
これが日本に古来存在する「里山文化」です。
「故きを温ねて新しきを知る」 この温故知新の精神にのっとり、里山牛プロジェクトでは先祖から学び、今の時代に求められる農業の在り方を再定義することで、自然と人とが共に生きる持続可能な社会づくりを見据えています。
株式会社さかうえの農業
さかうえは鹿児島県志布志市に1995年に設立され、設立時から現在に至るまで主に野菜と飼料用作物の生産及び販売にて発展を遂げてきました。栽培品目はケール(青汁用)、馬鈴薯(加工菓子用)、ピーマン、茄子、胡瓜、飼料用作物(デントコーンサイレージ、イタリアンライグラス等)で、作付面積は約200haです。
中でもピーマンは全国でも有数の生産量で、鹿児島県のピーマン生産量の約10%に相当する量を取り扱っております。データを活用した農業経営に早期から取り組み、作業の平準化だけでなく、早期の人材育成にも注力しております。
今回、賞をいただいた「里山牛プロジェクト」は2019年より取組を開始いたしました。当プロジェクトでは、荒廃していく中山間地域に牛(現在は黒毛和牛)を放牧することで里山の保全を目指しています。
弊社が位置する鹿児島県志布志市は農地が中山間部に拡がり、高齢化や人口減少に伴い離農者が増加し遊休農地が年々加速度的に増加しております。弊社はこれまで野菜と飼料作物の生産・販売で経営を拡大してきましたが、使われなくなる土地はトラクターが入りにくかったり形がいびつであったりと、労働面における生産性の低い土地がほとんどで、野菜の大規模生産には適しておりません。このような地域の課題に対し、使われなくなる地域資源の有効活用の方法として土地利用型の放牧スタイルの畜産に取り組んでいます。
地域資源を活用した放牧に加え、里山牛プロジェクトのもう一つの特徴は、飼料作物の自給です。
既存事業で、中山間部の土地を利用して飼料作物を大規模に生産し、地域の畜産農家へ販売、処理の難しい糞尿を堆肥として引き取り、良質な土づくりに活用する循環型農業を展開しております。
この既存事業との組み合わせにより、自社で作った飼料を自社で飼育する里山牛に与える「飼料の自給」が実現し、地域資源を最大限活用した持続可能な畜産事業が可能となっております。
昨今、不安定な世界情勢により、海外産飼料や燃料の高騰が農業界では大きな課題となっております。
飼料を自給することで食料自給力を高め、外的要因に左右されにくい持続可能な農業の実現を目指します。
里山牛プロジェクトの副次的効果
里山牛プロジェクトの副次的な効果としては下記があげられます。
耕作放棄地(遊休農地)を放牧に活用することによる効果
・畜産で生じる糞尿を堆肥化し農産物栽培に活用するなどの循環型農業化
・鳥獣害から里地を守る、いわゆるカウベルトを構築
・放牧は世界的な潮流となっている「アニマルウェルフェア」の考え方にも合致した生産方式
自給飼料で飼育することによる効果
・現在世界的に問題になっているグレインフェッドビーフ(穀物肥育牛)の水資源枯渇への影響を軽減
・食料自給力の向上
・フードマイレージの大幅な削減
食料安全保障、エネルギー消費、地球温暖化の問題においても持続可能な社会に大きく貢献することが期待されます。
環境の側面における課題の解決だけでなく、牛肉としても生産と消費のミスマッチを軽減することが里山牛プロジェクトのもう一つの魅力となっております。
具体的には、脂身の多い従来のサシ追求型の和牛は高齢化社会や健康志向の現代において生産と消費の間でミスマッチを起こしている側面があり、一方里山牛は、放牧と粗飼料での飼育により高品質な赤身と草由来の良質で適度な脂身が相まって、高齢者も食べやすい牛肉、健康に意識の高い客層に受け入れられやすいものとなっています。
また弊社では里山牛の魅力を最大限消費者の方々にお伝えできるよう、大切に飼育した里山牛を自社の社員で精肉加工し、販売までをしております。里山牛を飼育し、加工し、販売する。この一連の流れを自社で一貫して行うことで、豊かな自然の恵みを農場からお客様の食卓へ直接お届けすることが可能となります。
荒廃していく中山間地域の増加や持続可能な社会の実現は、志布志市だけでなく日本の多くの地域に存在する課題です。里山牛プロジェクトのモデルを志布志市で確立させて他地域にも波及させることで、日本の地域が抱える課題を解決することを目指します。
「里山牛」の産直お取り寄せ
餌には自然に生えている草と自社農場で生産した牧草飼料(非遺伝子組み換え)のみを与え、一年中のびのびと放牧環境で過ごします。
赤身の旨みが詰まった牛肉本来の濃厚な味わいと口当たりの良い適度な脂身。牧草由来の栄養素が豊富でお肉好きだけでなく、美容や健康に関心が高い人にも好まれる逸品です。
里山牛
- 商品名:「里山牛焼肉三種セット」
- 価格:5,500円(税込)
- 詳細:https://satoyama-beef.com
株式会社さかうえについて
さかうえは全スタッフの約半数が30代以下という第一次産業では珍しい企業体です。若手スタッフに積極的に仕事を任せて経験と知識を積ませ、成長を促しています。
10年後、20年後そして100年後もお客様により良い品物を届けることができる体制づくりを目指しています。
会社概要
- 社名:株式会社さかうえ
- 所在地:鹿児島県志布志市志布志町安楽2873-4
- 代表取締役:坂上隆
- 事業内容:農畜産物、牧草飼料の生産、販売
- 設立:1995年
- 従業員数:116名
- 会社HP:https://sakaue-farm.co.jp
- 里山牛HP:https://satoyama-beef.com
<以上>
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SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「地球上の誰一人取り残さない」ことを基本理念として、2015年9月に国連に加盟する全ての国が全会一致で採択した、17のゴールと169のターゲットから構成された国際目標です。
2030年までの達成を目指して、国・自治体・企業や団体などがSDGsの目標およびターゲットとしてゴールを設定した「SDGs宣言」を策定および公表し、様々な取組みを行っています。 中小企業においても、社会的なSDGsへの取り組みに対する関心の高まりから、企業イメージの向上や新たな事業機会の創出につながりを見据え、多くの企業がSDGsへの取り組みを推進しています。
SDGsへの取り組みについて厳密な取り決めはないので、どこから始めどのように進めてよいかわからないと思います。 SDGsに取り組む方法やメリットやデメリット、中小企業での必要性など詳しくは「SDGs宣言の方法やメリット、許可や例文」で解説しています。
SDGsの目標や取り組み内容を決め、SDGs宣言を策定して公表することで対外的にアピールする方法については、「SDGs宣言の公表とアピール方法」で解説しています。
各企業ごとのSDGsへの取り組み状況の診断から進め方、SDGs宣言の策定、PR支援まで細かくサポートしてもらえる「SDGs支援サービス」を行っている金融機関も多いので、法人口座を開設している取引先銀行に相談してみるのも良い方法です。
※VOIXもSDGsの取り組みを行っています。
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VOIX編集部 小川望海
VOIX編集部のライフ/SDGs担当ディレクターとして活動中。大手広告代理店に在籍していたこたともあり、情報感度には自信あり。