株式会社スリーハイ、二宮電線工業株式会社、株式会社石川製作所のSDGsの取り組み

VOIX編集部 小川望海 公開 SDGs
株式会社スリーハイ、二宮電線工業株式会社、株式会社石川製作所のSDGsの取り組み

電気に関わる中小企業が連携 捨てていたプラ製使用済ボビンを再利用する取り組みスタート

5月30日「ごみゼロの日」 事業活動を通じてSDGsゴール12達成を実現したい 約12時間半のごみ分別作業も削減

産業用ヒーターを製造・販売する株式会社スリーハイ(本社:横浜市都筑区、代表取締役:男澤 誠 以下、スリーハイ)は、当社の取引先である二宮電線工業株式会社(本社:相模原市中央区、代表取締役社長 二宮 崇 以下、二宮電線工業)及び株式会社石川製作所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 石川 和成 以下、石川製作所)と協力し、それまで三者間の事業取引で発生していた、使用済ボビン(電線等を巻くための筒)を再利用する取り組みを2023年5月から始めましたので、お知らせいたします。

取り組み前:材料となる電線を取った後の筒(ボビン)をすべて廃棄、分別作業に約12時間半のコスト

スリーハイは、神奈川県横浜市都筑区東山田にある、従業員数40人(2022年12月時点)の小さな町工場です。「ものを想う。ひとを想う。」を企業理念とし、主力事業である産業用ヒーターの製造・販売を通じて、お客様の「熱」に関する困り事を解決し、日本だけでなく、世界の産業活性化に貢献しています。

スリーハイでは、スリーハイが販売している温度センサーの材料となる熱電対線(ねつでんついせん:温度を測定するセンサーの線)を仕入れています。ここで課題となっていたのは、この熱電対線を巻くための筒(以下、「ボビン」)の保管と廃棄でした。

熱電対線を巻いたプラスチック製のボビン(写真提供:二宮電線工業株式会社)熱電対線を巻いたプラスチック製のボビン(写真提供:二宮電線工業株式会社)

使用後、産業廃棄物として廃棄されていた、熱電対線をとったあとのボビン。茶色の部分が紙製の芯で、鍔のプラスチック部分との分別作業が発生していた使用後、産業廃棄物として廃棄されていた、熱電対線をとったあとのボビン。茶色の部分が紙製の芯で、鍔のプラスチック部分との分別作業が発生していた

スリーハイでは、専門商社である東京都の石川製作所を通じ、電線メーカーである二宮電線工業から、この熱電対線を月あたり約25缶(年間約300缶)仕入れています。熱電対線を取ったあとのボビンは、全て廃棄していました。

この熱電対線を巻いているボビンはプラスチックと紙で構成されているため、廃棄する前にスリーハイの従業員が、プラスチックと紙に手作業で分別をしていました。

この紙製の芯は、プラスチック製の鍔にのりで固くはめこまれていることから、分別作業には手間がかかり、作業時間は1缶あたり30分以上かかっていました。したがって、月に25缶分の分別作業をした場合、約750分=約12時間半の作業時間が発生しており、生産性向上の面からも、この作業が効率化できないか、スリーハイでの課題となっていました。

今回の取り組み:使い終わったボビンをすべて仕入先へ返却、仕入元では再利用に活用

再利用の取り組みがはじまるきっかけは、スリーハイでボビンの分別に携わっていたパート社員から寄せられた、「ボビンのプラスチックと紙を分別する作業が大変です」という、ちょっとした雑談からでした。

この雑談を受けたスリーハイの代表の男澤は「廃棄物削減のため、二宮電線工業に使用済みのボビンを戻したい」旨、両者間と取りまとめている商社である、石川製作所に相談をしました。

すると、他にもボビンを返却している会社の事例があったほか、二宮電線工業も「今後SDGsゴール達成につながる、環境に配慮したものづくりに取り組みたい」という意向が確認できました。

そこで2023年5月から、スリーハイが熱電対線を取ったあとのボビンを、全て二宮電線工業に返却する取り組みをはじめました。スリーハイが返却するあたっての運送費は、全て仕入元である二宮電線工業が負担しています。

スリーハイでは、これまでボビンを産業廃棄物として廃棄するためのコスト及びボビンをプラスチックと紙に分別する作業コストを削減することができました。

対して二宮電線工業では、スリーハイから返却されたボビンを熱電対線を巻くために再利用することで、ボビンの仕入れコスト削減につながっています。

取り組みの背景:産業廃棄物排出量の推移は微減にとどまり、中小企業の取り組みが不可欠

環境省の調査「産業廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度実績)」によると、令和2年度における全国の産業廃棄物の総排出量は約3億7,400万トンであり、前回の調査結果(令和元年度実績)から約1,200万トン減少(3.1%減)にとどまっています。

「産業廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度実績)」(環境省)
https://www.env.go.jp/press/press_01385.html を元に株式会社スリーハイ作成

SDGsゴール12のターゲット12.5では「2030年までに、予防、削減、リサイクル、および再利用(リユース)により廃棄物の排出量を大幅に削減する。」と定められています。ゴール12を達成するうえでは、産業廃棄物を排出する事業者の取り組みが欠かせません。

また、ゴール12の達成に向けてインパクトを生むためには、個々の企業での取り組みだけでなく、ゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」にあるとおり、企業間の連携による取り組み促進も必要です。

株式会社スリーハイ 代表取締役 男澤 誠のコメント

株式会社スリーハイ 代表取締役 男澤 誠(おざわ まこと)株式会社スリーハイ 代表取締役 男澤 誠(おざわ まこと)

SDGsへの取り組みは大企業がSDGsへの取り組みを進めるにつれて、サプライチェーンに属する仕入先といった私達中小企業にも、同様の取り組みを求められるケースが増えています。

横浜市都筑区に立地し、従業員40名の町工場であるスリーハイも例外ではありません。町工場がこれからも生き残るためには、SDGsを始めとした持続可能な事業活動に積極的に取り組み、またこれらの取り組みをしていることを広報活動を通じて積極的に発信していくことが必要であると考えています。

事業活動は様々な企業が携わっていることから、SDGsは一社だけの取り組みで終わることはありません。今回のように複数の中小企業が連携して取り組むことで、廃棄物削減につながると同時に、双方の事業活動の生産性向上やコスト削減につなげることができました。

スリーハイは、これからも取引先を始めとしたステークホルダーの皆様とともに連携し、SDGsゴール達成への取り組みを進めて参ります。

二宮電線工業株式会社 代表取締役社長 二宮 崇のコメント

二宮電線工業株式会社 代表取締役社長 二宮 崇(にのみや たかし)二宮電線工業株式会社 代表取締役社長 二宮 崇(にのみや たかし)

二宮電線工業は、神奈川県相模原市に本社を置く特殊電線専門メーカーです。

私達の製品は生活に身近な小売業や飲食業をはじめ、電気、自動車、鉄鋼、電子部品、半導体、化学など製造業、研究開発機関、そして航空宇宙産業に至るまで、温度計測が必要となる多種多様な分野で採用されています。

二宮電線工業は、特殊電線等の製造・販売の業務を通じて、環境問題が最重要経営課題の一つであることを認識しています。

この度、製品の納品先であるスリーハイから、使用後のボビンの再利用の打診を受けた際も、廃棄物削減の観点から真っ先に対応すべき課題であると認識しました。

二宮電線工業としても、返却された使用後のボビンを他の製品を巻くボビンとして再利用することで、ボビンを仕入れるためのコストを削減することにつながり、廃棄物削減だけでなく、事業活動における生産性向上にもつながる取り組みとなっています。

今後もSDGsゴール達成への取り組みを進めていく所存です。

株式会社石川製作所 代表取締役社長 石川和成のコメント

石川製作所は東京都千代田区に本社を置く、「熱」に関する専門総合商社です。メーカーと一体となり、適正な価格で速やかに商品の流通と技術、情報の伝達を図っています。

今回、石川製作所の取引先であるスリーハイから「熱電対線を取り終わったあとのボビンを返却したい」との申し出を受け、製造元の二宮電線工業に確認したところ、他でも返却している事例があることが判明しました。

両者間で筒返却の取り組みが実現したことで、両者間の事業活動で発生していた廃棄物削減につながったほか、スリーハイでは廃棄コスト及び分別作業コストの削減、二宮電線工業ではボビンの仕入れコスト削減といった、生産性向上にもつながる結果となりました。

石川製作所は中小企業をつなぐ専門総合商社として、これからも中小企業のSDGsゴール達成に向けた取り組みの促進につながるよう、企業間パートナーシップ強化に取り組んで参ります。

株式会社スリーハイについて

株式会社スリーハイは、「ものを想う。ひとを想う。」を企業理念に、産業用ヒーター及び温度コントローラ等の製造、販売をしています。結露・凍結防止、加熱、保温などお客様のご要望にあわせたオーダーメイドの製品をご提案し、国内・海外の企業様の「困った!」を熱のチカラで解決してきました。ヒーターのエキスパートが日本全国の現場に駆け付け、お客様に寄り添うサービスをご提供いたします。

二宮電線工業株式会社について

二宮電線工業株式会社は、特殊電線専門メーカーとして、多様な使用条件に適応できる特殊電線を製造しています。温度計測に必要な補償導線や被覆熱電対線、高温から低温まで厳環境下で使用される耐熱電線の製造で特に強みを発揮し、機能性の高い製品を世に送り出しています。

熱を制して可能性を広げる特殊電線の専門メーカー」として、私たちはこれからの50年、100年も、お客様から必要とされる企業であり続け、広く産業界に貢献して参ります。

  • 会社名 :二宮電線工業株式会社
  • 代表者 :代表取締役会長 二宮 恒夫
  • 代表取締役社長 二宮  崇
  • 所在地 :神奈川県相模原市中央区淵野辺2-15-16
  • 設立  : 1960年8月8日
  • 事業内容: 補償導線、被覆熱電対線などの温度センサーや加工品、及び耐熱電線・超耐熱電線、UL規格認証電線、機器内外フッ素樹脂絶縁電線などの特殊電線、それら周辺機器の製造・販売
  • 公式サイト:https://www.ninomiya-ew.co.jp/

株式会社石川製作所について

株式会社石川製作所は電熱線、耐熱耐火物等の電熱用機材、熱電対や測温抵抗体等の温度センサー、自動制御機器等の販売を目的とする専門総合商社です。

《温める》《熱する》熱源を求め、同時にいかに熱温度をコントロールするかを事業の二大テーマに、それに関連するソフト、及びハードの機器や機材、熱をコントロールする技術・情報を取り扱っています。メーカーと一体となり、適正な価格による速やかな商品の流通と技術、情報の伝達に貢献しています。

  • 会社名 :株式会社石川製作所
  • 代表者 :代表取締役社長 石川 和成
  • 所在地 :東京都千代田区外神田6丁目6番2号石川ビル
  • 設立  :1952年6月
  • 事業内容:電熱線、耐熱耐火物等の電熱用機材等の仕入れ及び販売
  • 公式サイト:https://www.ht-ishikawa.jp/
 ▼本リリースに関する問い合わせ先
  • 担当:株式会社スリーハイ 経営企画室室長 徳江 彩貴(とくえ さき)
  • TEL:0120-972-128
  • メール:pr@threehigh.co.jp

<以上>


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【SDGs について】   SDGs について
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「地球上の誰一人取り残さない」ことを基本理念として、2015年9月に国連に加盟する全ての国が全会一致で採択した、17のゴールと169のターゲットから構成された国際目標です。
2030年までの達成を目指して、国・自治体・企業や団体などがSDGsの目標およびターゲットとしてゴールを設定した「SDGs宣言」を策定および公表し、様々な取組みを行っています。 中小企業においても、社会的なSDGsへの取り組みに対する関心の高まりから、企業イメージの向上や新たな事業機会の創出につながりを見据え、多くの企業がSDGsへの取り組みを推進しています。
SDGsへの取り組みについて厳密な取り決めはないので、どこから始めどのように進めてよいかわからないと思います。 SDGsに取り組む方法やメリットやデメリット、中小企業での必要性など詳しくは「SDGs宣言の方法やメリット、許可や例文」で解説しています。
SDGsの目標や取り組み内容を決め、SDGs宣言を策定して公表することで対外的にアピールする方法については、「SDGs宣言の公表とアピール方法」で解説しています。
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VOIX編集部 小川望海

VOIX編集部のライフ/SDGs担当ディレクターとして活動中。大手広告代理店に在籍していたこたともあり、情報感度には自信あり。
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