株式会社ACCESSと7社が新電力流通モデル「Internet of Grid」を開発
この記事の目次
岐阜県八百津町にて再エネ活用のための電力流通モデルを検証
株式会社ACCESSを含む8社が、再生可能エネルギーの普及を目指し、新たな電力流通モデル「Internet of Gridプラットフォーム」を開発しました。このモデルは、蓄電池を制御して電圧上昇や電流容量を抑制し、ブラックアウト時の代替電力供給も可能です。岐阜県八百津町で実証を行い、再生エネルギーの導入促進を図ります。
<以下リリース>
エネルギーグリーン化のための新たな電力流通モデル「Internet of Grid プラットフォーム」を開発
岐阜県加茂郡八百津町における実証の開始
NTT アノードエナジー株式会社(以下、「NTT アノードエナジー」)、大崎電気工業株式会社(以下、「大崎電気」)、日本電気株式会社(以下、「NEC」)、NTTテクノクロス株式会社(以下、「NTTテクノクロス」)、三菱電機株式会社(以下、「三菱電機」)、株式会社NTTデータ東北(以下、「NTTデータ東北」)、NTTテレコン株式会社(以下、「NTTテレコン」)および株式会社ACCESS(以下、「ACCESS」)は、再生可能エネルギーが主流となるエネルギーグリーン化社会を支える新たな電力流通モデルとなる Internet of Grid プラットフォーム(以下、「IoGプラットフォーム」)を開発いたしました。
また、今回開発した「IoGプラットフォーム」を用いた実証を、岐阜県加茂郡八百津町において行います。
【ポイント】
①「IoGプラットフォーム」は、スマートメーターで把握した潮流データを分析し、電流容量増加や電圧上昇時に蓄電池制御することを一体的に行う、これまでになかった新たな電力流通モデル。潮流把握ができず再生可能エネルギーが繋がりにくい配電系統を繋がりやすいインフラへアップデート(図2)
②「IoGプラットフォーム」の蓄電池は、ブラックアウト時の代替供給力や電力市場取引にも活用(図2)
③「IoGプラットフォーム」のスマートメーター内部に構築したサービス基盤により、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)の製品機能等が搭載可能。これら製品がなくても電気給湯器やEV充電器等の電気について再生可能エネルギーを利用するための制御が可能(図4)
1.背景·経緯
現在の送配電網は、火力発電所等の大規模発電所からの電力供給を前提としているため、各家庭へ供給するまでの間、段階的に電力流通設備の容量が小さくなっています。そのため、特に、電力流通設備の容量が小さい配電系統に導入される各家庭や地域の太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーを増やし、利用していくためには、「天候や時間帯で変化する電力系統の潮流把握」、「再生可能エネルギーの増加に伴う電圧上昇や設備容量の増強等」が必要となり、これらの解決が喫緊の課題となっています。
これら課題解決を図るために、新たな電力流通モデルを実現する「IoGプラットフォーム」を開発いたしました。
2. 開発の内容
「IoGプラットフォーム」は、電力系統の潮流データを把握する仕組みと、再生可能エネルギーの発電量が増え電力系統の電圧上昇や電流容量が大きくなった場合にこれらを抑制するための蓄電池とで構成されます。
電力系統の潮流データ把握は、新規開発したスマートメーターにより実現します。このスマートメーターは、電力計量部はそのままですが通信部に新機能を追加することで、系統電流や電圧等の潮流データを把握することが可能となりました。これにより、今まで想定が難しかった配電系統における再生可能エネルギーの連系可能量がより正確に把握できることになり、再生可能エネルギーの導入拡大に繋がります。
晴れの日の昼間等、再生可能エネルギーの発電量が増えると、電力系統の電圧上昇や電流容量が大きくなり設備許容値を逸脱するリスクが発生します。このような事象が潮流データから予見された場合、「IoGプラットフォーム」の蓄電池を充電して電圧上昇や電流容量を抑制します。これにより、再生可能エネルギーの発電量や連系可能量の増加に繋がります。
なお、「IoGプラットフォーム」の蓄電池はこれらの活用に加えて、夜間等には蓄電池に充電した電力を電力取引市場(卸電力取引市場、容量市場、需給調整市場)等に活用することができ、ブラックアウト等の非常時には代替供給力となる非常時マイクログリッドにも活用できます。
また、電気給湯器やEV充電器等で標準化されているECHONETLite(エコーネットライト)等の通信対応機器であれば、HEMS等の機器を介さなくても監視・制御等が可能となる環境を新規開発したスマートメーターに搭載し、需要家向けエネルギーサービスのハブ機能としてスマートメーターを活用できるようにしました。これにより、電気給湯器やEV充電器等の電気については再生可能エネルギーを利用しやすくなります。
このように「IoGプラットフォーム」は、スマートメーターをハブとしてエネルギーデータをインターネットインフラにあげて蓄電池や需要家リソースを制御する仕組みであり、電力インフラに通信を融合させたプラットフォームです。エネルギーグリーン化社会において、再生可能エネルギーを増やし、再生可能エネルギーを利用しやすい新たな電力流通の基盤として、「IoGプラットフォーム」は活用できます。
3.今後の取り組み予定
(1)八百津町での蓄電池制御の実証(電力系統対策としての蓄電池制御)
NTTアノードエナジーは、八百津町様のご協力のもと、大崎電気、NEC、NTTテクノクロス、三菱電機、NTTデータ東北とともに、八百津町に設置した蓄電池やスマートメーターによる「IoGプラットフォーム」を用いて、電圧上昇対策としての蓄電池制御の実証を2024年9月より行います。
具体的には、八百津町施設及び蓄電池を設置したNTT施設敷地内にスマートメーターを設置し、スマートメーターで計測した電圧等の潮流データについて「IoGプラットフォーム」内にある「潮流マネジメントシステム」で把握・管理を行い、電圧上昇の状況に応じて蓄電池を制御して電圧上昇の抑制を図ります。
(2)「IoGプラットフォーム」によるエネルギーサービス等の実現
NTTアノードエナジーは、「IoGプラットフォーム」においてエネルギーサービスのハブとなるスマートメーターを活用して、電気給湯器やEV充電器等の需要家リソースの監視や制御の実現に向けた取り組みをACCESSとともに行います。
また、電力使用監視(デマンド監視)や水道・ガス等の共同検針の実現に向けた取り組みについても大崎電気やNTTテレコンとともに行います。
将来的には、エネルギーサービスだけでなく、防災情報等の自治体サービスとの連携等に向けた取り組みについても検討を進めます。「IoGプラットフォーム」のスマートメーターには、これらが可能となるよう多様なサービスのハブとして活用できる機能を搭載しており、また、HESに振分け機能を搭載することで、サービス事業者にとって事業展開しやすい環境を提供します。
別添資料 :各社の概要
[NTT アノードエナジーの概要]
(1) 本社所在地: 東京都港区芝浦3丁目4番1号 グランパークタワー
(2) 設立年月日: 2019年6月3日
(3) 資本金: 79億20百万円
(4) 事業内容: グリーン発電、アグリゲーション、電力小売、エンジニアリングソリューション
(5) 代表者: 代表取締役社長 岸本 照之
[大崎電気の概要]
(1) 本社所在地: 東京都品川区東五反田二丁目10番2号 東五反田スクエア
(2) 創立年月: 1937年1月(創業1916年8月)
(3) 資本金: 79億6,575万円
(4) 事業内容: 電力量計、計器用変成器、配電自動化機器、タイムスイッチ、デマンドコントロール装置、エネルギーマネジメントシステム、自動検針システム、スマートホーム関連機器、光通信関連機器、配・分電盤、電力量計の取替工事、その他電気機械器具の製造販売および工事等
(5) 代表者: 取締役社長執行役員COO 渡辺 光康
[NECの概要]
(1) 本社所在地: 東京都港区芝五丁目7番1号
(2) 創立年月: 1899年7月
(3) 資本金: 4,278億円
(4) 事業内容:
・ITサービス事業:システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)、サポート(保守)、アウトソーシング・クラウドサービス、システム機器及びソフトウェア・サービスなどの提供
・社会インフラ事業:ネットワークインフラ(コアネットワーク、携帯電話基地局、光伝送システム、海洋システム)、通信事業者向けソフトウェア・サービス(OSS・BSS)ならびに航空宇宙・防衛領域におけるシステム機器、システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)およびサポート(保守)などの提供
(5) 代表者: 取締役 代表執行役社長 兼 CEO 森田 隆之
[NTTテクノクロスの概要]
(1) 本社所在地:東京都港区芝浦3-4-1 グランパークタワー15階
(2) 設立年月: 1985年7月
(3) 資本金: 5億円
(4) 事業内容: 情報通信ネットワークを利用する情報提供、情報処理、決済(代理徴収を含む)など各種サービスの提供、各種情報制作およびそれらサービス提供に必要なシステムの賃貸・販売、情報通信システムの設計、開発、建設、販売、賃貸、管理、運用・保守およびシステム評価、ソフトウェアの設計、開発、販売、賃貸、運用・保守および品質管理、ハードウェアの開発、製造、販売、賃貸、設置、および保守、新技術の調査、その応用開発、コンサルティング、教育および研修、労働者派遣事業
(5) 代表者: 代表取締役社長 岡 敦子
[三菱電機の概要]
(1) 本社所在地: 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル
(2) 設立年月: 1921年1月
(3) 資本金: 1,758億20百万円
(4) 事業内容: インフラ、インダストリー・モビリティ、ライフ、ビジネス・プラットフォーム、セミコンダクター・デバイス等の製品の開発、生産、販売、サービス
(5) 代表者: 代表執行役 執行役社長 漆間 啓
[NTTデータ東北の概要]
(1) 本社所在地: 宮城県仙台市青葉区一番町1-9-1 仙台トラストタワー21階
(2) 設立年月: 1990年3月
(3) 資本金: 1億円
(4) 事業内容: 情報システムの開発および保守の受託、販売、情報システムに係わるソフトウェアまたはハードウェアの開発および保守の受託、情報システムに係わる建設工事並びにその他の建築工事および設備工事の請負、企画、調査、研究、研修およびコンサルティングの受託
(5) 代表者: 代表取締役社長 茂木 孝之
[NTTテレコンの概要]
(1) 本社所在地: 東京都台東区雷門1丁目4番4号
(2) 設立年月日: 1988年2月25日
(3) 資本金: 4億円
(4) 事業内容: 電気通信設備を利用した各種遠隔検針・制御、保安システム等の開発、販売、工事、保守サービス業務、電気通信設備に係わる各種機器類のハード・ソフトウェアの開発、販売、設備工事、保守、各種の情報処理サービス及び情報配信サービス・警備業務、損害保険代理店業務、古物売買等
(5) 代表者: 代表取締役社長 深澤 充
[ACCESSの概要]
(1) 本社所在地: 東京都千代田区神田練塀町3番地
(2) 設立年月: 1984年2月
(3) 資本金: 170億72百万円
(4) 事業内容: TV・車載機器等向け組み込みブラウザや動画・コンテンツ配信プラットフォーム、DX・IoTサービスの企画設計からシステム開発まで一貫してサポートするプロフェッショナルサービスや各種ソリューション、ホワイトボックス向けネットワークオペレーティングシステム(OS)等の開発・提供
(5) 代表者: 代表取締役 社長執行役員 大石 清恭
<以上>
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SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「地球上の誰一人取り残さない」ことを基本理念として、2015年9月に国連に加盟する全ての国が全会一致で採択した、17のゴールと169のターゲットから構成された国際目標です。
2030年までの達成を目指して、国・自治体・企業や団体などがSDGsの目標およびターゲットとしてゴールを設定した「SDGs宣言」を策定および公表し、様々な取組みを行っています。 中小企業においても、社会的なSDGsへの取り組みに対する関心の高まりから、企業イメージの向上や新たな事業機会の創出につながりを見据え、多くの企業がSDGsへの取り組みを推進しています。
SDGsへの取り組みについて厳密な取り決めはないので、どこから始めどのように進めてよいかわからないと思います。 SDGsに取り組む方法やメリットやデメリット、中小企業での必要性など詳しくは「SDGs宣言の方法やメリット、許可や例文」で解説しています。
SDGsの目標や取り組み内容を決め、SDGs宣言を策定して公表することで対外的にアピールする方法については、「SDGs宣言の公表とアピール方法」で解説しています。
各企業ごとのSDGsへの取り組み状況の診断から進め方、SDGs宣言の策定、PR支援まで細かくサポートしてもらえる「SDGs支援サービス」を行っている金融機関も多いので、法人口座を開設している取引先銀行に相談してみるのも良い方法です。
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