株式会社日本能率協会マネジメントセンターのSDGsの取り組みとして手帳表紙をリサイクル
この記事の目次
手帳表紙のリサイクル実現で産業廃棄物を削減 ―品質へのこだわりはそのままに、サステナブルの共存へ
混合素材の塩化ビニールのリサイクルが可能に
「品質へのこだわり」と「サステナブルな地球環境」の両立
JMAMでは、SDGsの活動の一環として、脱炭素社会の実現を目指し、環境に配慮した商品企画および原材料調達、環境負荷を抑えた製品製造、店舗での販売効率の向上、廃棄物の再生利用の推進に取り組んでいます。
これまで全国各地の書店などで販売していた手帳は、販売終了後に店舗から回収し、紙の部分や透明な表紙カバーはリサイクルをしていました。一方、不織布や外周に縫製のある混合素材の表紙は、塩ビとその他素材の分離が難しいことからリサイクルができず、産業廃棄物として処分されていました。
しかし、混合素材の表紙に使用される塩ビは、リサイクルが難しい素材ではあるものの、汚れにくく、耐久性があり、さらに装飾性や加工適正にも優れているという特長があります。そのため、一年間のハードな使用に耐えられるよう、堅牢なつくりにこだわり、またトレンドを取り入れたデザイン性の高い商品開発を行うJMAMとしては、塩ビは必要不可欠な素材といえます。そこで、手帳の品質にこだわりつつも、2022年4月1日に施行された「プラスチック資源循環法」で、プラスチック廃棄物の削減がより求められる中、環境負荷を抑えるために塩ビのリサイクル実現に向けた取り組みを開始しました。
「産業廃棄物をほぼゼロ」にした地道な道のり
塩ビのリサイクルにおいては、表紙の裏生地に貼られている不織布の分離が大きな課題としてありました。担当者が数多くのリサイクル工場にあたるも、不織布が付いているものや、周囲に糸(ステッチ)が施されている表紙カバーのリサイクルは不可能という回答ばかりでした。地道に探し続ける中で、株式会社エコロ(代表取締役:後藤 雅晴、埼玉県入間郡、以下エコロ)で不織布やミシン糸を分離できる可能性があると判り、業務提携致しました。エコロのリサイクル工場で何度もテストを重ねた結果、塩ビとその他素材の分離が可能となり再生加工を開始しました。分離した塩ビは、国内のPVC加工メーカーに出荷し、すでに再生塩ビとして塩ビタイルなどに再利用されています。
これにより、廃棄されていた塩ビ(年間約80t)が今後はすべて再利用されることになります。このリサイクル活動はグループ会社の株式会社NOLTYプランナーズ、株式会社新寿堂でも同様に進めていきます。
2030年にはリサイクル率100%へ
JMAMグループは、多くの企業・団体・個人による持続可能な社会の実現に向けた取り組みが活発化する中、「成長に、寄り添う。」ことを目指す私たちが、事業を通じて取り組むべきことをSDGs宣言としてまとめました。
今回の塩ビのリサイクルを実現したことで、手帳に使用されている素材の99%がリサイクル可能になります。現状、革素材の表紙や付属品のシールなど、リサイクルできず廃棄処分されている素材があります。今後の目標として、2030年には教材、手帳等のリサイクル率100%を目指し、サステナブルな地球環境のために、社内での取り組み強化および顧客に向けたSDGs推進サポートのための商品・サービスの開発に努めていきます。
JMAMグループのSDGs宣言
株式会社エコロ
2011年に設立。主な事業はプラスチックリサイクル、壁紙リサイクル、産業廃棄物収集運搬、機械販売、リサイクル商品販売、リサイクルコンサルティング事業。限りある資源を未来に繋げるために、廃棄物・プラスチックのマテリアル事業を中心に、現状ある処理方法・リサイクルシステムでは無く、エコロ独自の技術・機械の選定・考え方・ネットワークを通じて新しい環境事業を目指します。
- URL: https://ecoroinc.jp/
NOLTY(ノルティ)
1949年に誕生した「能率手帳」の歴史と伝統を引き継ぎ、2014年に誕生したブランドです。特別に開発したオリジナル手帳用紙は、裏写りしにくく、どんな筆記用具でも滑らかな書き味を楽しめると好評です。NOLTYは、印刷・加工・製本、すべての工程において「MADE IN JAPAN」ならではの品質を追求し、「書くこと」への可能性をさらに広げていくことをご提案しています。
- URL: https://nolty.jp/
PAGEM(ペイジェム)
能率手帳のDNAを引き継ぎ、1992年に誕生した女性向けの手帳ブランドです。PAGEMには“PAGE〈ページ〉” に “GEM〈宝石〉” のような毎日を記してほしい、という願いが込められています。
- URL: https://pagem.jp/
日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)
1942年創立の一般社団法人日本能率協会(JMA)から1991年に分社化し、創立。主な事業は、通信教育・研修・アセスメント・eラーニングを柱とした人材育成支援事業、『NOLTY』や『PAGEM』を代表とする手帳事業、ビジネス書籍の発行を中心とした出版事業です。JMAMは、一人ひとりが成長することを通じて、自分らしい豊かな人生と幸せを感じられる社会をつくりたい。そのために、「思い描く未来」に向かって一歩踏み出す人のパートナーとして伴走することを目指します。
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SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「地球上の誰一人取り残さない」ことを基本理念として、2015年9月に国連に加盟する全ての国が全会一致で採択した、17のゴールと169のターゲットから構成された国際目標です。
2030年までの達成を目指して、国・自治体・企業や団体などがSDGsの目標およびターゲットとしてゴールを設定した「SDGs宣言」を策定および公表し、様々な取組みを行っています。 中小企業においても、社会的なSDGsへの取り組みに対する関心の高まりから、企業イメージの向上や新たな事業機会の創出につながりを見据え、多くの企業がSDGsへの取り組みを推進しています。
SDGsへの取り組みについて厳密な取り決めはないので、どこから始めどのように進めてよいかわからないと思います。 SDGsに取り組む方法やメリットやデメリット、中小企業での必要性など詳しくは「SDGs宣言の方法やメリット、許可や例文」で解説しています。
SDGsの目標や取り組み内容を決め、SDGs宣言を策定して公表することで対外的にアピールする方法については、「SDGs宣言の公表とアピール方法」で解説しています。
各企業ごとのSDGsへの取り組み状況の診断から進め方、SDGs宣言の策定、PR支援まで細かくサポートしてもらえる「SDGs支援サービス」を行っている金融機関も多いので、法人口座を開設している取引先銀行に相談してみるのも良い方法です。
※VOIXもSDGsの取り組みを行っています。
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広報・PRご担当者様へ
VOIX編集部 小川望海
VOIX編集部のライフ/SDGs担当ディレクターとして活動中。大手広告代理店に在籍していたこたともあり、情報感度には自信あり。