ESG投資を促進するデジタルプラットフォームのβ版が10月16日よりサービス開始
この記事の目次
ESG投資を促進するデジタルプラットフォーム「Sustainable Finance Platform / Engagement Support Service」10月16日(月)よりサービス提供開始
国内外主要運用機関の利用が決定
SFP-ESSについて
SFP-ESSは、ESG情報の開示によって上場企業と運用機関の相互理解を深めるツーサイドプラットフォームです。運用機関が上場企業に期待するESG情報開示ニーズを国際基準のISSBのベースになるSASBに沿って提示し、上場企業は登録された情報を参照することで、自社の開示方針策定に活用することができるようになります。
本サービス*¹ではIFRS S1,S2*²への対応を2024年に計画しており、IFRS財団よりIFRS S1,S2の利用ライセンスを日本で初めて付与されることに合意しています。
*¹ SFP-ESSは、日立製作所がサービス提供を行います。
*² IFRS財団が2023年6月に公表した開示基準。IFRS S1号(サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的な要求事項)及びIFRS S2号(気候関連開示)で構成されます。
提供背景・ESG情報開示における課題
当法人が実施したアンケート調査*¹ではESGに関する業務に携わっている方のうち55%が、自社のESGへの取組が十分でないと感じていると回答しております。
ESGについての取組を進めるうえでの課題を質問した結果、企業規模*²に共通して、「社内の体制・リソースが整っていない」「社内部署の巻き込み・合意形成ができていない」等が多く挙がった一方、中型株では特に「ステークホルダーがどんな情報開示を求めているかわからない」という課題が挙げられました。
中型株で「ステークホルダーがどんな情報開示を求めているのかわからない」という課題が多く挙げられた原因としては、中型株の企業では、運用機関とコミュニケーションをとる機会が限られるため、運用機関の情報開示ニーズを把握することが難しいという現状があると推察されます。(別紙1表2参照)
*¹別紙1:『ESG情報開示・ESG投資への意識・実態調査』参照
*²東京証券取引所「東証上場会社コーポレート・ガバナンス白書2023」等を参考に、上場企業を大型株/中型株/小型株に分類
導入効果
<運用機関の導入効果>
①多くの上場企業に開示ニーズの共有が可能に
SFP-ESSを活用することにより、これまで上場企業1社ごとの個別エンゲージメントの中で伝えていた情報開示に関するニーズや要望を、多くの上場企業に対してプロアクティブに伝えることができるようになります。
②必要なデータ収集が容易に
これまで投資先企業を中心に数千社の情報開示データを個別に収集していましたが、上場企業がテンプレートに基づいて直接登録したデータの収集が可能となり、将来的には企業間の比較などが現在より容易にできるようになることに加え、上場企業が自ら第三者保証を受けたデータ登録を行うことでデータの正確性が高まります。
<上場企業の導入効果>
①運用機関のニーズにあった情報開示が可能に
上場企業は、社内協議にてESG開示項目を決定してきましたが、今後は運用機関の開示ニーズを起点とした開示項目の選定・決定が可能になることで、運用機関の求める情報開示を行えるようになります。
②情報開示方針の社内合意がスムーズに
ESG情報の収集のため、社内関連部署への協力依頼に多くの時間と工数を割いていますが、運用機関のニーズを社内関連部署への説明の根拠の一つとすることにより、スムーズな社内合意が可能となります。
③新規株主開拓のきっかけに
エンゲージメント先以外の運用機関の開示ニーズを一元的に収集できるようになり、新規株主の候補を検討する際の手がかりになります。
サービス概要
<提供機能>
<サービス料金*>
サービス利用料は、1社あたり上場企業60万円/年、運用機関40万円/年(消費税等別)となります。
*本サービスはベータ版となります。2024年10月以降、サービス内容・サービス料金が変更となる場合がございます。
機関投資家/運用機関からのコメント
日本生命保険相互会社 ESG投融資推進室室長 宮本泰俊様
日本生命保険相互会社は、ESG要素を投融資判断に組み込むインテグレーションをはじめとする投融資および対話を軸として、様々なアプローチでESG投融資をバランスよく推進し、安心・安全で持続可能な社会の実現をめざしています。
機関投資家としての役割は、資金提供のみならず、投資先の行動変容を促し、ESG課題の解決をサポートすることでサステナビリティ・アウトカムの創出に繋げることであると考えており、そのためには機関投資家が重要と考えるESG課題を伝え、対話を行うことをエンゲージメント活動の起点と置いています。
持続可能な社会の実現に向けて、SFP-ESSのコアバリューは、機関投資家と上場企業の深い相互理解を促し、適切な開示を通じた投融資判断への活用、エンゲージメント活動の深化に有用であり、一般社団法人の活動主旨ならびに本プラットフォームの提供価値を歓迎いたします。
りそなアセットマネジメント株式会社 チーフ・サステナビリティ・オフィサー 常務執行役員 松原稔様
一般社団法人サステナブルファイナンスプラットフォーム運営協会のパーパスやSFP-ESSのコアバリューはまさに今必要とされる考えであり、本取組によって日本における情報開示や各ステークホルダー間の効率的なエンゲージメントが進んでいくことが、企業のディスクロージャーにとって、アセットマネージャーから見た企業評価にとって、ひいては日本の資本市場にとって、有益であると考えています。
官民で150兆円超のGX投資を目指していくためには、上場企業と運用機関の間に存在する相互理解の深化という課題を解決することが必要であり、そのためにはこのようなデジタルプラットフォームが構築され、様々なステークホルダーが参加することが必要であると考えます。
同じ問題意識を抱えるアセットマネージャーとして、非常に難易度が高く、壮大なテーマに向けて挑戦する皆様を応援いたします。
詳細をご希望の方へ:SFP-ESS サービス説明会開催のご案内
SFP-ESSについて、より詳しくご紹介するためのサービス説明会を開催いたします。サービスの詳細や活用方法、実際の操作デモを交えてのプレゼンテーションを予定しております。
詳細については、以下をご覧ください。
- SFP-ESS サービス説明会:https://sfp-ess-webinar.peatix.com
今後の展開
今般、コア機能に絞ったベータ版サービスをトライアル価格にて提供し、ユーザビリティの検証や各種機能の強化をはかるなど、将来の正式なサービス立ち上げに向けた検討を推進していきます。ベータ版サービスをご利用いただいたユーザのみなさまからのご要望を積極的に採り入れ、より有用なサービスとして正式版の開発計画にフィードバックをしてまいります。
一般社団法人サステナブルファイナンスプラットフォーム運営協会とは
ESG投資を促進するデジタルプラットフォームを整備し、正式事業化に向けた有用性の価値検証を行うことを目的に、一般社団法人サステナブルファイナンスプラットフォーム運営協会を2023年7月に設立いたしました*。
*参考:サステナブルファイナンスの発展に向けた事業構想の共同検討を開始
- 一般社団法人サステナブルファイナンスプラットフォーム運営協会
- 代表者:代表理事 山本 真司
- 所在地:〒100-8220 東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
- コーポレートサイト:https://sfp-ess.org/
お問い合わせ先
- 一般社団法人サステナブルファイナンスプラットフォーム運営協会 事務局
- 小野・萩原
- MAIL:contact@sfp-ess.org
<以上>
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SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「地球上の誰一人取り残さない」ことを基本理念として、2015年9月に国連に加盟する全ての国が全会一致で採択した、17のゴールと169のターゲットから構成された国際目標です。
2030年までの達成を目指して、国・自治体・企業や団体などがSDGsの目標およびターゲットとしてゴールを設定した「SDGs宣言」を策定および公表し、様々な取組みを行っています。 中小企業においても、社会的なSDGsへの取り組みに対する関心の高まりから、企業イメージの向上や新たな事業機会の創出につながりを見据え、多くの企業がSDGsへの取り組みを推進しています。
SDGsへの取り組みについて厳密な取り決めはないので、どこから始めどのように進めてよいかわからないと思います。 SDGsに取り組む方法やメリットやデメリット、中小企業での必要性など詳しくは「SDGs宣言の方法やメリット、許可や例文」で解説しています。
SDGsの目標や取り組み内容を決め、SDGs宣言を策定して公表することで対外的にアピールする方法については、「SDGs宣言の公表とアピール方法」で解説しています。
各企業ごとのSDGsへの取り組み状況の診断から進め方、SDGs宣言の策定、PR支援まで細かくサポートしてもらえる「SDGs支援サービス」を行っている金融機関も多いので、法人口座を開設している取引先銀行に相談してみるのも良い方法です。
※VOIXもSDGsの取り組みを行っています。
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