ベネッセホールディングス/ベネッセが品川区と読み書きの発達特性に配慮したICT学習の実証試験を実施 学習アプリ活用4ヶ月後のテスト結果・アンケート評価を分析

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ベネッセホールディングス/ベネッセが品川区と読み書きの発達特性に配慮したICT学習の実証試験を実施 学習アプリ活用4ヶ月後のテスト結果・アンケート評価を分析

 株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:小林 仁、以下:ベネッセ)は、東京都品川区と、区内公立小学校・義務教育学校11校にて、2021年9月2日(木)~2021年12月24日(金)の期間で、子どもの読み書きの発達特性に配慮したICT学習を活用した実証試験を行い、本教材の監修を務めてくださっている尚絅学院大学の小池敏英教授と共に結果をとりまとめましたのでお知らせ致します。
 本取り組みは、対象校で通常学級を含めて読み書きに関する困りのチェックテストの一斉実施を行ったうえで、ベネッセで開発している発達障害児や読み書きに困りを抱える児童向け学習アプリを、各小学校と各児童のご家庭で任意にご利用頂くものです。
 また、一部の学校においては、2022年1月に2回目のチェックテストを行い、学習アプリ継続利用の効果検証も実施いたしました。

【今回の実証実験活動のイメージ】

【今回のデータについて】
●成績の比較
①チェックテストの一斉実施(1回目テスト)にご協力いただいた品川区公立小学校・義務教育学校全11校 (2年生通常級8校・通級10校・支援級3校)のデータについて、各児童の成績状況を分析。それぞれ得点に応じて「5パーセンタイル※1層」「5~15パーセンタイル層」「15~50パーセンタイル層」、およびそれ以上の「上位層」に分類。
②各小学校と各児童のご家庭において任意に学習アプリを活用いただく。
③1回目テストから4ヶ月後に、問題内容・判定基準は同じ2回目テストの実施に協力をいただいた「A小学校」
の児童(約90名)の得点がどのように変化したかを比較。(1回目の各層のどこに相当する得点かを見る)
●教員アンケート
1回目テストの実施後、4ヶ月間学習アプリを活用いただいた一部学校の教員※2から任意協力としてアンケートを回収した。
※1:ここでの「パーセンタイル」の定義:「5パーセンタイル層」とした場合、100人いると換算した際に低位から1~5人目までの成績だった層を示す。
※2:「A小学校」を含む8校・25名から回収。

■サマリ
今回の調査では、本ICT学習教材の利用について、

1)1回目のテストから4ヶ月後の2回目テストで、集団全体の読み書きスキルが向上している。 特に困りが大
  きいと思われる15パーセンタイル層付近の低成績層減少が顕著。
2)全学級で低成績児童含有率が減り、読み書きスキルの底上げ効果が見える。
3) 教員からの評価も高く、指導・支援の質の向上、特別支援だけでなく通常級での指導の有効性、児童の学習意欲向上、他校への推奨意向といった点で、よい教材である実感を持っていただけた。

といったことが明らかになりました。

※「調査概要」「詳細データ」「教材イメージ」「自治体向けモニター募集」を【今回の結果詳細】以降に掲載。

【今後について】
今後も、ベネッセでは、開発中の子どもの読み書きの発達特性に配慮した学習アプリが、学校現場でより良い学習支援につながるように、品川区そのほかの自治体のご協力を得ながら、機能改善を目指します。また、小学校の児童の多様性を考慮して、このたびの取り組みに加えて、首都圏のみならず、さらに多くの児童についての効果検証をしていくことで、より良い学習支援につながることを目指していきます。

【今回の結果詳細】

<本ICT学習教材利用による効果>
●1回目テストから4ヶ月後の2回目テストで、集団全体の読み書きスキルが向上
●特に困りが大きいと思われる15パーセンタイル層付近の低成績層の減少が顕著。
→50パーセンタイル層への移行(=スキルの伸び)

<実証後教員アンケート:支援の質の向上>
●一人ひとりに合わせたレッスンを自動的に提供できることで、指導・支援の質の向上に寄与するとの評価をいただけた。

 

<実証後教員アンケート:通常級での指導>
●通常級での指導についても、児童が楽しく取り組み、教師も手軽に利用できることで有効であるとのお声を多くいただいた。

<実証後教員アンケート:学習意欲>
●児童の学習意欲についても、76%の方(Top2Box)に“伸びた”と評価いただけた。

<実証後教員アンケート:他校への推奨意向>
●72%の先生がおすすめしたいご意向をお持ち下さった。

※以下、実証実験の概要については、ご参考情報として、前回リリース(「ベネッセが品川区と読み書きの発達特性に配慮したICT学習の実証試験を実施」)より再掲。

【実証試験の概要】
○ 実証試験期間
2021年9月2日(木)~2021年12月24日(金)
※一部学校においては、2022年2月まで引き続きご利用を継続。2回目のチェックテストは2022年1月に実施。
○ 実施校・学年・人数
品川区内の公立小学校・義務教育学校37校中11校
通常級2年生児童675名、特別支援教室1~4年生児童163名、特別支援学級1~4年生児童69名
○ 実証試験内容
ベネッセで開発している発達障害児や読み書きに困りを抱える児童向け学習アプリを、各小学校と、各児童のご家庭(任意)でご利用頂く。
• 品川区から各児童に配布している1人1台デバイス(iPad)を利用
• 学習アプリには、チェックテストとそれに合わせて最適化されたレッスンが含まれる
• 児童向け学習アプリはWEBブラウザで作動するため、各児童のデバイスからご利用いただけるように設定。教師向け機能はWEBブラウザで作動するため、各学校のデバイスからアクセスできるように設定

【実証試験の背景とねらい】
 現在、通常級に在籍する児童のうち、学習面及び行動面で著しい困難を示す児童は6.5%(*注)とされ、さらに何らかの困りを抱える児童も合わせるとより多くいらっしゃるといわれています。また、学級運営と個への支援を両立することに悩む教員も多くいらっしゃると考えられています。
 こうした中、ベネッセでは、一人ひとりの児童の多様な特性に合わせることにより、「学び」を支え、未来を切り開く力を伸ばすために、最新の発達研究に基づいた支援技術を活用したICT教材の研究開発を進めてまいりました。
 今回の実証試験においては、品川区で各児童に配布されているiPadを用いながら、見過ごされている読み書きにおける困りを抱える児童をチェックテストによって早期に見つけ、さらにそのテスト結果の特性に基づいたレッスンを提供することで、それぞれの児童の読み書きスキルの向上や学習意欲の向上、指導者の労務負荷の軽減や指導効果の実感、そしてそれによって保護者含む多くの支援者の安心を醸成することを目指しています。

*注:知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合(『通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について』平成24年12月5日 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/__icsFiles/afieldfile/2012/12/10/1328729_01.pdf

【学習アプリを通して提供する個別教材のイメージ】
 チェックテストを通して把握した児童個別の状況(「典型的な読み書き障害」「漢字の書きに困難を示す」など)をもとに、児童の特性に応じた学習提案を行い、それに対応した最適な学びかたができるデジタル教材をウェブアプリで提供するものです。

 

【自治体向けモニター募集のご案内】
○ モニターで利用する学習アプリ
読み書きの発達特性に配慮した児童向け学習アプリ「MARUG Land」(マルグランド)
※ご提供教材は小1~小4の範囲の「読み」「書き」「読解」となります。
○ モニター期間
 2022年4月~7月末を想定(要ご相談)
○ 対象児童
通常級、通級指導教室、特別支援学級在籍の1~3年生
 ※GIGA標準仕様のタブレット・PCで利用可能。Webブラウザでアクセス可能で、インストール等は不要です。
○ 利用お申込み
まずは教育委員会様より、accessible@mail.benesse.co.jp へメールにてご相談ください。
※本モニターは2023年度有償導入を見据え、導入可否のご判断をいただくことを前提としたモニター募集となります。(1自治体当たり1~2校を想定しております)。モニター数に上限があり、ご相談頂いた後にモニター実施いただけない場合もありますことをご了承ください。
<教材の特長>
1.発達特性に合わせた調整機能:
児童の学習意欲を削がないよう、問題文の読み上げ機能や問題の分量・難易度など、学年を意識することなく、特性に合わせた学習環境の調整ができます。
2.チェックテストから学習内容を自動オススメ:
まずは児童の認知特性、読み書きの困りをチェックテストで確認。豊富な読み書きトレーニングから、最もその子に合っている「学び方」を自動提案します。
3.児童の取り組みを客観データとして共有可能:
チェックテスト結果からの児童の特性・指導方針に加え、取組状況などを見ることができます。学習状況を学校の先生方や保護者と共有することで、共通認識ができ、褒め励ましによって児童の自己肯定感を育みます。
 

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