NTTコム オンラインが『SDGs消費』の現状と課題について調査し公表
この記事の目次
『SDGs消費』に関する調査結果
SDGsを意識した消費経験は約3割、価格負担は3割増までが限度
調査の結果、約半数が「SDGsへの好感」を有している一方で、実際に「SDGsを意識した消費(以下、『SDGs消費』)」の経験は、約3割に留まりました。また、好感度・SDGs消費経験いずれも、男性より女性のほうが10ポイント以上高く、男女での意識の違いが顕著に示される結果となりました。
SDGs消費への価格負担増に対する意識については、3割増までなら負担できるとの回答が約9割を占めましたが、若者層では5割増まで負担できると回答した割合が高く、SDGsに向けた価格負担に対する許容度が高いこともわかりました。
SDGsに対しては、女性や若年層を中心とした一定の理解と今後への期待が感じられる結果となりました。
調査結果のポイント
- 約半数がSDGsに対し好感を持っており、SDGsはより良い未来構築に不可欠との認識を示した。
- 実際にSDGsを意識した消費の経験があるのは約3割。
- SDGsに対する好感、よりよい未来構築に不可欠との認識、SDGsを意識した消費経験のいずれにおいても、男性より女性で「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した割合が高く、その差は10ポイント以上。
- SDGsを意識した消費における主な購入品目は「食料品」「日用品等」「衣料品」「電力」等が多い。
- 男女別でSDGs消費に対する傾向の差が見られ、女性はコーヒーや食料品など日常の消費シーンにおいてSDGsを意識した行動が多く、男性はアパレル、自動車、旅行等の、購入機会がそれほど頻繁でないようなシーンでもSDGsを意識した消費行動がみられた。
- SDGs消費における価格の増加について負担できる限界ラインは「3割増まで」が最も多いが、若年層では「5割増まで」と回答する割合が最も多く、若年層ではSDGsへのコスト負担への許容意識が高いことがわかった。
調査概要
- 調査対象: 「NTTコム リサーチ」登録モニター
- 調査方法: 非公開型インターネットアンケート
- 調査期間: 令和4年3月4日(金)~令和4年3月7日(月)
- 有効回答者数: 1,105名
- 回答者条件: 18歳以上の全国男女
- 回答者の属性:
調査結果
①SDGsに対し約半数が好感を持っており、男性より女性で好感度が高い
SDGsの認知は、全体の46.6%(「ややそう思う(38.0%)」と「とてもそう思う(8.6%)」の計)で、認知している人のうち、82.5%が内容を理解していると回答した。
また、SDGsの説明を提示、改めて全員に読んでいただいた後に、SDGsについて好感を持っているか尋ねたところ、全体の約半数(49.2%)がSDGsに対して好感を有している(「とてもそう思う」「ややそう思う」)との結果を示した。SDGsに対する好感度を性別で比較すると、男性では、43.1%、女性では55.3%で、男女間で10ポイント以上の違いが見られた。(図1)
②約半数が“SDGsを意識した活動はよりよい未来を構築するために不可欠である”との認識を示した
また、“SDGsを意識した活動は、よりよい未来を構築するために不可欠である”との考えに対し「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した割合が全体の約半数(51.2%)を占めた。これを性別で比較すると、男性では45.4%、女性では57.0%となっており、男女間で10ポイント以上の違いが見られた。(図2)
③実際にSDGsを意識した消費の経験があるのは約3割
実際にSDGsを意識した消費(SDGs消費)の経験は、27.8%(「とてもそう思う」「ややそう思う」の計)である。これを性別で比較すると、男性では21.4%、女性では34.2%となっており、男女間で10ポイント以上の違いが見られた。(図3)
また、年代別でみると、35-44歳、65歳以上でSDGs消費経験がやや高い。(図4)
④SDGs消費の具体的な購入品目では食料品や日用雑貨・消耗品が多い
SDGsを意識した消費(SDGs消費)の経験がある人に、具体的な購入品目を確認したところ、「食料品(65.8%)」「日用品等(58.3%)」「衣料品(41.4%)」「電力(34.2%)」の順で回答が多かった。男女で購入品目に差がみられ、女性では「食料品」が高く、男性では「電力(再生可能エネルギー等)」が46.2%と女性よりも10ポイント以上高い結果となった。(図5)。
⑤半数以上がSDGsを意識した消費活動を行っている
“SDGsを意識した消費”と“それ以外の消費”の割合をみると「SDGsを意識した消費の割合がそれ以外の消費より多い」のは57.6%、「どちらも同程度の割合」が25.1%で、「SDGsを意識した消費の割合が少ない」のは17.3%であった。これを男女別でみると、男性で「SDGsを意識した消費の割合が多い」と回答したのは65.6%、女性では57.6%で、女性に比べ男性のほうが消費活動においてSDGsを意識していることがわかる。品目別でも男女の差がみられ、女性では「コーヒー」や「食料品」、「日用雑貨」などでSDGSを意識した消費活動が多いことから、日常的な消費シーンの中にSDGsが浸透してきていることが伺える。(図6)
⑥SDGs消費での価格増負担への限界ラインは「3割増」までが最も多い
SDGs消費における価格の増加についてどこまで負担できるのか調べるため、代表的な購入品目4つ(「食料品全般」「日用品等」「衣料品」「電力」)ごとに、「これ以上高いと「高すぎて買えない」と思う価格」について伺ったところ、いずれの品目においても、「通常商品より3割増」との回答が最も多く、次いで「通常商品より5割増」の順番となった。年代でみると、18歳~25歳までの若年層では、「通常商品より5割増」との回答が最も多く、SDGs消費での価格増に対して若年層では増加に対する許容度が高いことがわかる。(図7、図8、図9、図10)
※各セル内の①、②、③は、各年代別に、多い順に記載
《 補足 》
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SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「地球上の誰一人取り残さない」ことを基本理念として、2015年9月に国連に加盟する全ての国が全会一致で採択した、17のゴールと169のターゲットから構成された国際目標です。
2030年までの達成を目指して、国・自治体・企業や団体などがSDGsの目標およびターゲットとしてゴールを設定した「SDGs宣言」を策定および公表し、様々な取組みを行っています。 中小企業においても、社会的なSDGsへの取り組みに対する関心の高まりから、企業イメージの向上や新たな事業機会の創出につながりを見据え、多くの企業がSDGsへの取り組みを推進しています。
SDGsへの取り組みについて厳密な取り決めはないので、どこから始めどのように進めてよいかわからないと思います。 SDGsに取り組む方法やメリットやデメリット、中小企業での必要性など詳しくは「SDGs宣言の方法やメリット、許可や例文」で解説しています。
SDGsの目標や取り組み内容を決め、SDGs宣言を策定して公表することで対外的にアピールする方法については、「SDGs宣言の公表とアピール方法」で解説しています。
各企業ごとのSDGsへの取り組み状況の診断から進め方、SDGs宣言の策定、PR支援まで細かくサポートしてもらえる「SDGs支援サービス」を行っている金融機関も多いので、法人口座を開設している取引先銀行に相談してみるのも良い方法です。
※VOIXもSDGsの取り組みを行っています。
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VOIX編集部 小川望海
VOIX編集部のライフ/SDGs担当ディレクターとして活動中。大手広告代理店に在籍していたこたともあり、情報感度には自信あり。