知ると怖いクラウドファンディングのデメリットとトラブルを事例を挙げて紹介

VOIX編集部VOIX編集部 公開 クラウドファンディング
知ると怖いクラウドファンディングのデメリットとトラブルを事例を挙げて紹介

クラウドファンディングは資金調達手段として優れており、資金の出してと受け取りての間がWIN-WINの関係になることも多いため人気があります。一方で情報が不足するユーザーを騙すようなデメリットやトラブルが出ていることも事実です。本記事ではクラウドファンディングを以下の3分類に分けてデメリットとトラブルについて解説します。

クラウドファンディングの分類

購入型クラウドファンディング 購入型クラウドファンディングは、支援者がプロジェクトにお金を提供することで、リターンとして製品やサービスを受け取る形式です。新製品の開発やアートプロジェクトなど、多岐にわたる分野で利用されています。支援者はプロジェクトの成功に貢献し、創造的なアイデアの実現をサポートします。
寄付型クラウドファンディング 寄付型クラウドファンディングは、支援者がプロジェクトに対してお金を寄付する形式で、リターンを受け取ることはありません。社会的な課題解決や非営利団体の活動資金など、公共の利益に資するプロジェクトに多く用いられます。支援者はプロジェクトの目的に共感し、その実現を願って参加します。
投資型クラウドファンディング 投資型クラウドファンディングは、支援者がプロジェクトに資金を投資し、成功に応じて利益の配分を受け取る形式です。スタートアップ企業の資金調達や不動産プロジェクトなど、投資対象としての魅力が求められる分野で活用されています。支援者は投資家として参加し、リスクとリターンを考慮しながらプロジェクトを選びます。

参考:消費者庁「クラウドファンディング」

それでは早速、下記にて3つのクラウドファンディングのデメリットとトラブルについて見ていきましょう。

 購入型クラウドファンディングのデメリットとトラブル

購入型クラウドファンディングのデメリット、トラブルはとにかく「リターン」に関する物が多いです。リターンが届かない、思っていたものと違う、遅いなど詐欺的な内容によるトラブルが起きやすい特徴があります。

参考:消費者庁「クラウドファンディング購入型の事例

デメリット①リターン未達成のリスク

クラウドファンディングにおける購入型の最も一般的なデメリットの一つは、リターン未達成のリスクです。プロジェクトが目標資金を集められなかった場合や、プロジェクトの運営者が約束したリターンを提供できない場合があります。これは、投資者にとって失望や信頼の喪失を引き起こす可能性があります。

トラブル例

クラウドファンディングサイトにて新製品のトラベルバックに関するプロジェクトが製品の開発資金を募集していたが、開発が遅れた結果、リターンとして約束されていた製品の配送が半年以上も遅れるトラブルが発生。支援者たちは不満を感じ、プロジェクトへの信頼を失いました。

このようなリスクは、クラウドファンディングのプラットフォームやプロジェクト選定に慎重になることである程度回避することが可能です。しかし、完全に排除することは難しいため、投資する際のリスクをよく理解する必要があります。

デメリット②品質の不一致

購入型クラウドファンディングにおいては、プロジェクトの運営者が約束したリターンの品質が、実際に提供されるものと一致しないことがあります。これは、プロトタイプと最終製品の間に差異が生じることが一般的であるためです。

トラブル例

あるクラウドファンディングサイトで、革新的なスマートウォッチのプロジェクトが資金を募集していました。プロトタイプの段階では高品質とされていたが、最終製品は素材や機能が劣化しており、支援者たちは大いに失望しました。このトラブルは、プロジェクトへの信頼を大きく損ない、将来の支援を阻害する結果となりました。

このデメリットは、プロジェクトの詳細な調査と、運営者とのコミュニケーションによってある程度回避することが可能です。しかし、新しいプロジェクトや未知の運営者に投資する際には、常にこのリスクを念頭に置く必要があります。

デメリット③納期の遅延

購入型クラウドファンディングでは、プロジェクトの運営者が約束した納期を守れないことがしばしばあります。開発の遅れ、製造上の問題、物流のトラブルなど、多岐にわたる要因が納期の遅延を引き起こすことがあります。

トラブル例

クラウドファンディングプラットフォームで、エコフレンドリーな水筒のプロジェクトが資金を募集していました。プロジェクトの運営者は、特定の納期に製品を配送すると約束していたにも関わらず、製造パートナーとの問題が発生し、配送が3ヶ月遅れるトラブルが発生。支援者たちはイライラし、プラットフォーム全体への信頼を失いました。

納期の遅延は、クラウドファンディングのプラットフォームやプロジェクト選定に慎重になることである程度回避することが可能です。しかし、新しいプロジェクトや初めての製造プロセスには予測不可能なリスクが伴うため、完全に排除することは難しいです。

デメリット④コミュニケーションの不足

購入型クラウドファンディングのプロジェクトでは、運営者と支援者とのコミュニケーションが不足することがあります。プロジェクトの進捗状況の報告が不足したり、支援者の質問に対する返答が遅れたりすることがこのデメリットの原因となることが多いです。

トラブル例

あるクラウドファンディングサイトで、画期的なワイヤレスイヤホンのプロジェクトが資金を募集していました。開発の途中で技術的な問題が発生し、運営者は支援者に対して何ヶ月も進捗状況を報告しなかった。このコミュニケーションの不足が、支援者たちの間で不信と不満を引き起こし、プロジェクトへの信頼を大きく損ないました。

コミュニケーションの不足は、プロジェクトの透明性と信頼性に影響を与える重要なデメリットです。運営者とのコミュニケーションが活発であるプロジェクトを選ぶことで、このリスクを最小限に抑えることができます。

寄付型クラウドファンディングのデメリットとトラブル

寄付型クラウドファンディングはリターンがないため、トラブルが起きづらい可と思いきや、それでもありません。慈善団体として寄付を募っている団体が私的に流用するなどのケースもあるため寄付先の信頼感が大事です。

デメリット①寄付先の透明性の欠如

寄付型クラウドファンディングでは、寄付先の透明性が欠如することが一般的なデメリットです。寄付がどのように使用されるのか、プロジェクトの進捗状況など、重要な情報が不足することがあります。

トラブル例

あるクラウドファンディングサイトで、環境保護のためのプロジェクトが資金を募集していました。しかし、プロジェクトの運営者は寄付の具体的な使用方法を明らかにせず、支援者たちはどのように資金が使われたのかを知ることができませんでした。この透明性の欠如が、支援者たちの間で不信感を引き起こしました。

このデメリットは、プロジェクトの詳細な調査と、運営者とのコミュニケーションによってある程度回避することが可能です。しかし、寄付型クラウドファンディングはしばしば感情に訴えるプロジェクトが多いため、透明性の確保が特に重要です。

デメリット②期待外れのプロジェクト選定

寄付型クラウドファンディングでは、支援者が期待していたものとは異なるプロジェクトを選ぶことがあるデメリットです。プロジェクトの説明が不足していたり、誤解を招く内容であったりすることが、このデメリットの原因となることが多いです。

トラブル例

クラウドファンディングプラットフォームで、地域社会の教育支援プロジェクトが資金を募集していました。プロジェクトの説明が曖昧で不明確であったため、支援者たちはプロジェクトの真の目的を誤解しました。結果として、プロジェクトが進行するにつれて、支援者たちは期待外れを感じ、失望しました。

このデメリットは、プロジェクトの詳細な調査と、運営者とのコミュニケーションによってある程度回避することが可能です。しかし、プロジェクトの説明と実際の目的が一致しているかを慎重に確認することが重要です。

デメリット③寄付の効果が見えにくい

寄付型クラウドファンディングでは、寄付がどのように効果を発揮しているのかが見えにくいことが一般的なデメリットです。プロジェクトの進捗報告が不足することで、支援者は自分の寄付がどのように活用されているのかを把握することが困難になることがあります。

トラブル例

あるクラウドファンディングサイトで、途上国の子供たちへの教育支援プロジェクトが資金を募集していました。しかし、プロジェクトの運営者は進捗報告をほとんど提供せず、支援者たちは自分たちの寄付がどのように子供たちの教育に貢献しているのかを知ることができませんでした。この情報の欠如が、支援者たちの間で不満と不信感を引き起こしました。

このデメリットは、プロジェクトの進捗報告を定期的にチェックし、運営者とのコミュニケーションを図ることである程度回避することが可能です。しかし、寄付の効果を具体的に把握することは、寄付型クラウドファンディングの性質上、常に挑戦であると言えます。

デメリット④税制上の問題

寄付型クラウドファンディングには、税制上の問題が生じることがあるデメリットです。寄付が税控除の対象となるかどうか、寄付先が非営利団体であるかどうかなど、税法に関連する複雑な問題が関与することがあります。

トラブル例

クラウドファンディングプラットフォームで、自然災害の被災者支援プロジェクトが資金を募集していました。多くの支援者が寄付を行いましたが、後に寄付先が税控除対象でないことが判明。支援者たちはこの情報が事前に明示されていなかったことに驚き、不満を感じました。

このデメリットは、プロジェクトの詳細な調査と、必要に応じて専門家の助言を求めることで回避することが可能です。しかし、寄付型クラウドファンディングにおける税制上の問題は、個人の支援者にとっては予期せぬトラブルとなることがあるため、注意が必要です。

投資型クラウドファンディングのデメリットとトラブル

投資型クラウドファンディングは明確に失敗が起きやすいので注意が必要です。投資先がデフォルトになったり倒産するなどのリスクがありえるのでハイリターンを狙わずにコツコツと投資を行うことが重要です。

参考:金融法委員会「貸付型クラウドファンディングの貸金業法の適用

デメリット①投資リスクの高さ

投資型クラウドファンディングは、他のクラウドファンディング形式に比べて投資リスクが高いことが一般的なデメリットです。プロジェクトの失敗、運営者の不正行為など、投資した資金を失うリスクが常に存在します。

トラブル例

クラウドファンディングプラットフォームで、新しいテクノロジー企業への投資プロジェクトが資金を募集していました。多くの投資者が参加しましたが、企業の経営不振によりプロジェクトは失敗。投資者たちは投資資金の大部分を失いました。

このデメリットは、プロジェクトと運営者の詳細な調査、リスク管理の専門知識などによってある程度回避することが可能です。しかし、投資型クラウドファンディングには元本保証がないため、投資する際のリスクをよく理解する必要があります。

デメリット②法規制とコンプライアンスの問題

投資型クラウドファンディングは、法規制とコンプライアンスの問題が複雑であることが一般的なデメリットです。投資先の企業が法的な要件を満たしているか、プラットフォーム自体が適切なライセンスを持っているかなど、様々な法的な側面を考慮する必要があります。

トラブル例

あるクラウドファンディングプラットフォームで、新しい飲食店チェーンへの投資プロジェクトが資金を募集していました。しかし、プロジェクトの運営者が必要な許可を取得していなかったため、法的な問題が発生。投資者たちは投資した資金を回収することが困難になりました。

このデメリットは、プロジェクトと運営者の法的な背景の調査、必要に応じて法律の専門家の助言を求めることで回避することが可能です。しかし、投資型クラウドファンディングにおける法規制とコンプライアンスの問題は、個人投資者にとっては非常に複雑であるため、注意が必要です。

デメリット③利益の不確実性

投資型クラウドファンディングでは、投資に対する利益が不確実であることが一般的なデメリットです。プロジェクトの成功によって利益が発生する場合もあれば、失敗によって投資資金を失うリスクもあります。

トラブル例

クラウドファンディングプラットフォームで、新しいエネルギー技術の開発プロジェクトが資金を募集していました。多くの投資者が高い利益を期待して参加しましたが、技術開発の遅れによりプロジェクトは頓挫。投資者たちは期待していた利益を得ることができず、失望しました。

このデメリットは、プロジェクトの詳細な調査と、リスク許容度に合った投資選択によってある程度回避することが可能です。しかし、投資型クラウドファンディングにおける利益の不確実性は、投資の性質上、完全に排除することは難しいです。

デメリット④情報の非対称性

投資型クラウドファンディングでは、プロジェクト運営者と投資者間での情報の非対称性が問題となることがあります。運営者が持つ情報が投資者に十分に開示されないことで、投資判断が困難になることがあるデメリットです。

トラブル例

あるクラウドファンディングプラットフォームで、スタートアップ企業への投資プロジェクトが資金を募集していました。しかし、企業の財務状況やビジネスプランなど、重要な情報が投資者に十分に開示されなかったため、投資判断に不安を感じる投資者が多くなりました。

このデメリットは、プロジェクトと運営者の詳細な調査、情報開示の要求などによってある程度回避することが可能です。しかし、投資型クラウドファンディングにおける情報の非対称性は、個人投資者にとっては投資判断を複雑にする要因となるため、慎重な対応が必要です。

クラウドファンディングのデメリットとトラブルを回避するための対策

クラウドファンディングは多くの機会を提供しますが、デメリットとトラブルも存在します。これらの問題を回避し、成功へと導くための対策が求められます。特にプロジェクト選定の際に注意すべきポイントを以下に挙げます。

明確な目的とビジョンの確認

プロジェクトが明確な目的とビジョンを持っているかを確認することは、成功への第一歩です。目的がはっきりしていれば、プロジェクトの方向性を理解しやすく、投資や支援の判断が容易になります。

透明性の確保

プロジェクトの進捗状況、資金の使用方法など、透明性を確保する情報が公開されているかをチェックします。透明性が高いプロジェクトは、信頼性があり、トラブルのリスクが低いと言えます。

運営者の信頼性評価

プロジェクト運営者の過去の実績、評判、信頼性を評価します。信頼できる運営者であれば、プロジェクトの成功確率が高まります。

法規制とコンプライアンスの確認

投資型クラウドファンディングの場合、法規制とコンプライアンスの確認は欠かせません。適切な許可やライセンスが取得されているかを確認することで、法的なトラブルを回避します。

リスク評価とリターンのバランス

プロジェクトのリスクとリターンのバランスを慎重に評価します。リスクが高すぎる場合や、リターンが不明確な場合は、慎重な判断が求められます。

クラウドファンディングでのトラブルに遭遇した際の対応

クラウドファンディングには多くの機会がありますが、残念ながらトラブルに遭遇する可能性もあります。詐欺にあったり、約束が守られなかった場合など、以下の対応が効果的です。

クラウドファンディングのポータルサイト運営者への問い合わせ

トラブルが発生した場合、最初の対応としてプラットフォームの運営者へ問い合わせを行います。運営者はプロジェクトと支援者の間の調整役となることが多く、問題の解決に協力してくれることが期待されます。

弁護士や専門家への相談

法的なトラブルや複雑な問題が発生した場合、弁護士や専門家への相談が有効です。専門的な知識と経験を持つ者が、適切な対応と解決へと導いてくれます。

消費者団体への相談

消費者の権利が侵害された場合、消費者団体への相談も一つの選択肢です。消費者団体は、個人が抱える問題に対して支援を提供し、解決へと導くことが可能です。

公的機関への報告

詐欺などの犯罪的な行為が疑われる場合、警察や関連する公的機関への報告が必要となることがあります。公的機関が介入することで、法的な手続きが進展し、正当な解決が図られます。

まとめ:クラウドファンディングのデメリットとトラブルを理解し、賢く活用する

クラウドファンディングは、新しいアイデアやプロジェクトに資金を供給する革新的な手法です。しかし、その利点と共に、デメリットとトラブルも存在します。この記事では、クラウドファンディングの主要なデメリットとトラブル、そしてそれらを回避または対処するための対策について解説しました。

  • デメリットとトラブルの理解
    購入型、寄付型、投資型の各クラウドファンディングには、それぞれ固有のデメリットとトラブルが存在します。これらを理解することで、失敗を避け、成功へと導くことができます。
  • プロジェクト選定のポイント
    明確な目的、透明性、運営者の信頼性など、プロジェクト選定の際に注意すべきポイントを把握することで、デメリットとトラブルを効果的に回避します。
  • トラブル発生時の対応
    万が一トラブルに遭遇した場合、適切な対応を取ることで問題を解決します。プラットフォーム運営者への問い合わせ、弁護士への相談など、状況に応じた対応が求められます。

クラウドファンディングは、慎重な計画と理解に基づいて活用することで、多くの機会を提供します。デメリットとトラブルを適切に管理し、賢く活用することで、クラウドファンディングはあなたの目標達成に貢献する強力なツールとなるでしょう。

: 本記事で挙げられたトラブル例は、クラウドファンディングのデメリットを具体的かつわかりやすく説明するためのモデルケースです。これらの例は実際に起きた事例ではなく、一般的なリスクや問題点をイメージしやすくするために用いられています。

※文中の製品やサービスなどの名称およびロゴは、各社の商標または登録商標です。

広報・PRご担当者様へ

記事選定/ライター
VOIX編集部

VOIX編集部

2020年代をリードするビジネス情報を中心にニュースを発信します。取材やリリースを中心に、価値のある情報をお届けします。
リリースをご希望の方
ページトップへ