RBFによる資金調達を解説。スタートアップに最適で日本でもサービスが普及中!

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RBFによる資金調達を解説。スタートアップに最適で日本でもサービスが普及中!
RBF(Revenue-Based Financing)は、収益に基づく資金調達の方法で、特に高成長を遂げているスタートアップや中小企業にとって有用な資金調達手段となり得ます。
この記事ではメリットデメリットや他の資金調達方法との比較、リスク、おすすめのサービスなどを紹介します。
アメリカではすでに普及した資金調達方法で、日本でも一部サービスが開始されるなど注目されつつあります。他の資金調達との違いや国内向けサービスを解説していきますね。

RBFとは

RBFは、企業が将来の収益の一部を投資家に売却することで資金を調達する方法です。具体的には、企業は投資家から一定の資金を受け取り、その代わりに将来の収益の一部を定期的に投資家に返済します。返済額は通常、企業の収益に連動して変動します。つまり、収益が増えれば返済額も増え、収益が減れば返済額も減ります。

RBFを日本語にするとどんな意味?
RBFは”Revenue-Based Financing(レベニュー・ベースド・ファイナンス)”の略で、日本語では「収益ベースの融資」や「収益連動型融資」などと訳されることが多いです。
これは、企業が将来の収益の一部を投資家に売却することで資金を調達する方法を指します。返済額は企業の収益に連動して変動するため、このような名前がつけられています。

RBFのメリット

  1. 資本を保持
    RBFは企業の株式を売却することなく資金を調達できるため、企業の所有者は自社の資本を保持することができます。
  2. 柔軟な返済
    返済額は収益に連動するため、収益が低い期間は返済額も低くなります。これにより、収益の変動による返済負担の影響を軽減することができます。
  3. 早期返済のペナルティなし
    多くのRBF契約では、早期に全額返済してもペナルティは発生しません。

RBFのデメリット

  1. 高いコスト
    RBFは一般的に、伝統的な銀行ローンやベンチャーキャピタルからの資金調達よりもコストが高くなる可能性があります。
  2. 収益の一部を失う
    RBFは将来の収益の一部を投資家に返済するため、企業はその分の収益を失います。
  3. 適切な収益予測が必要
    RBFは将来の収益に基づいているため、企業は収益予測を正確に行う必要があります。予測が不正確な場合、返済が困難になる可能性があります。

以上のように、RBFはその特性から一部の企業にとって非常に有用な資金調達手段となり得、RBF(Revenue-Based Financing)は、収益に基づく資金調達の方法で、特に高成長を遂げているスタートアップや中小企業にとって有用な資金調達手段となり得ます。

RBFが資金調達方法として日本でまだ普及していない理由

株式を売却することなく資金調達できる方法として、スタートアップ企業にとってはありがたい資金調達であるRBF(Revenue-Based Financing)ですが、日本でまだあまり普及していませんね。

これにはどのような背景があるか解説していきます。

①知名度と理解度の問題

RBFは比較的新しい資金調達の形態であり、その概念とメカニズムはまだ一般的にはあまり知られていないかもしれません。企業や投資家がRBFの存在や利点を理解していなければ、その活用は進まないでしょう。

②文化的な要素

日本の企業文化では、伝統的な銀行融資やベンチャーキャピタルによる資金調達が一般的です。新しい資金調達手段に対する抵抗感や、既存の方法に対する依存が、RBFの普及を妨げている可能性があります。

③法規制と金融環境

RBFの導入と普及は、法規制や金融環境に大きく影響されます。日本の金融規制や金融環境がRBFに対応していない、またはRBFの導入を難しくしている可能性もあります。
実際、金融庁の「成長・事業再生資金の円滑な供給」に関する資料を見ても、RBFに関する言及はありません。

ただし、これは違法だからということではなく単純にまだ浸透していないだけという事情があり、RBF自体に違法性は全くありません。

参考:https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market-system/siryou/20220217/01.pdf

④リスク許容度

RBFは、企業の収益性に直接連動するため、投資家にとってはリスクが高い場合があります。日本の投資家が比較的リスク回避的であるとすれば、これがRBFの普及を阻んでいる一因となる可能性があります。

これらの要素が組み合わさって、RBFが日本でまだ広く普及していない状況を生んでいると考えられます。

日本のRBFサービス「RBF by PAYTODAY」

「RBF by PAYTODAY」は、将来の売上(将来債権)を譲渡することで資金調達を行うサービスです。

rbf by paytoday

RBF by PAYTODAY

  • RBF(Revenue-Based Financing)とは、将来発生する売上を先に現金化する資金調達の方法です。これは「お金を借りる」わけではなく、「将来の売上(将来債権)を譲渡」するスキームです。
  • 売上が上がっているが、人材投資等が先行して赤字のスタートアップ企業でも、継続する売上があれば利用可能です。
  • RBFは、融資のように個人保証や不動産担保を求められることがなく、営業利益が上がっていない段階でも利用しやすくハードルが低くなっています。一方でVCのような株式の希薄化も起こりません。
  • ファクタリング取引では請求書(確定債権)を買い取るのに対して、RBFでは将来の売上(リカーリングリベニュー)を対象として資金を提供する仕組みです。

RBF by PAYTODAY利用の流れ

  1. アカウント作成
    まずはアカウントを作成します。作成は無料です。
  2. オンライン申請
    必要書類をオンラインでアップロードします。これには、将来の売上予測とその内容、直近6カ月以上の入出金明細、決算書等が含まれます。
  3. 審査
    提出された情報を元に審査を行い、結果を連絡します。
  4. 入金
    契約完了後、指定の銀行口座に入金します。

以上が「RBF by PAYTODAY」の概要です。スタートアップや中小企業が安定した売上見込みがある場合に、資金調達の一つの選択肢として利用できます。

https://rbf.paytoday.jp/

RBFで資金調達する場合の流れを例を挙げて説明

RBFで資金調達する流れを見ていきましょう。例としてITベンチャーの「A社」がRBF(Revenue-Based Financing)で1000万円の資金調達を行う場合の流れは以下の通りです。

  1. 事業計画の準備
    ITベンチャー「A社」は、自社の事業計画と将来の収益予測を準備します。例えば、次の3年間で年間売上が1億円に達すると予測します。
  2. 投資家の探索
    ITベンチャー「A社」は、RBFに対応した投資家を探します。この場合、IT業界に詳しい投資ファンドや個別の投資家を対象にします。
  3. 投資家との交渉
    投資家が見つかったら、ITベンチャーは投資家との間で融資の条件について交渉します。例えば、1000万円の融資に対して、毎月の売上の5%を3年間返済するという条件で合意します。
  4. 契約の締結
    条件が合意されたら、ITベンチャーと投資家は契約を締結します。契約には、融資の条件、返済の方法、デフォルト時の対応などが詳細に記載されます。
  5. 融資の受け取り
    契約が締結されると、ITベンチャーは投資家から1000万円の資金を受け取ります。この資金は、新たなプロジェクトの開始や運転資金として使用されます。
  6. 返済の開始
    ITベンチャーは、契約に基づいて収益の一部を投資家に返済します。例えば、初月の売上が500万円だった場合、その5%の25万円を投資家に返済します。売上が増えれば返済額も増え、売上が減れば返済額も減ります。

以上が一例です。

ITベンチャー「A社」は事業計画書を提出した上で、1000万円の資金調達を行い、その条件として毎月の売上の5%を3年間返済するという条件で契約をしたのです。定額ではなく、定率で契約したので売上が増えれば返済額も増え、売上が減れば返済額も減るというのが特徴です。

RBFはアメリカでどの程度普及しているか

RBF(Revenue-Based Financing)は、アメリカでは比較的普及している資金調達手段となっています。特に、高成長を遂げているスタートアップや中小企業にとって有用な手段とされています。

2022年にKPMGが発表したレポートによると、アメリカのRBF市場は2021年に約100億ドルで、2028年までに200億ドルに成長すると予測されています。また、2021年にPwCが発表したレポートによると、アメリカのRBF市場は2021年に約120億ドルで、2025年までに200億ドルに成長すると予測されています

参考1:https://www.marketwatch.com/press-release/revenue-based-financing-market-research-2023-2030-2023-06-11
参考2:https://www.wycokck.org/files/assets/public/finance/documents/ltff-2021-2025-final.pdf

RBFは、企業が将来の収益の一部を投資家に売却することで資金を調達する方法で、企業の所有者が自社の資本を保持しつつ、柔軟な返済条件のもとで資金を調達できるという特性から、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。

また、アメリカでは、RBFに特化した投資ファンドやプラットフォームが存在し、これらがRBFの普及に寄与しています。これらのファンドやプラットフォームは、企業と投資家をつなげる役割を果たし、RBFの取引を容易にしています。

アメリカでのRBFに特化した投資ファンドやプラットフォーム

アメリカでは、RBF(Revenue-Based Financing)に特化した投資ファンドやプラットフォームが存在しています。以下にその一部を紹介します:

  1. Lighter Capital
    Lighter Capitalは、テクノロジー企業向けのRBFに特化した投資ファンドです。$50,000から$3,000,000の融資を提供し、企業の収益に基づいて返済を行います。
    https://www.lightercapital.com/
  2. SaaS Capital
    SaaS Capitalは、SaaS(Software as a Service)企業向けのRBFに特化した投資ファンドです。SaaS企業の収益モデルに適した柔軟な融資を提供します。
    https://www.saas-capital.com/
  3. RevUp Capital
    RevUp Capitalは、B2BとB2Cの両方の企業に対してRBFを提供します。また、資金提供だけでなく、企業の成長を支援するための戦略的なアドバイスも提供します。
    https://www.revupfund.com/
  4. Flow Capital
    Flow Capitalは、北米のテクノロジー企業に対してRBFを提供します。$500,000から$12,000,000の融資を提供し、企業の収益に基づいて返済を行います。
    https://flowcap.com/

これらの投資ファンドやプラットフォームは、RBFの普及に寄与しており、企業と投資家をつなげる役割を果たしています。ただし、これらのファンドやプラットフォームを利用する際は、その条件やリスクを十分に理解した上で利用することが重要です。

しかし、RBFはその特性上、企業の収益性や成長性が高いことが求められるため、すべての企業がRBFを利用できるわけではありません。また、RBFの利用には、企業の収益予測の正確さや、投資家との交渉力などが求められます。

RBFで資金調達する上でのリスクや返済不能になった場合

RBF(Revenue-Based Financing)は、企業が将来の収益の一部を投資家に売却することで資金を調達する方法で、その特性上、いくつかのリスクが存在します。

まず、RBFの一つのリスクは、企業の収益が予測よりも低くなった場合です。RBFの返済額は企業の収益に連動しているため、収益が予測よりも低くなると、返済額もそれに応じて減少します。しかし、返済額が減少すると、全体の返済期間が延長され、結果的に返済総額が増える可能性があります。

また、RBFは一般的に、企業が一定の収益を上げることができる場合にのみ有効な資金調達手段です。したがって、企業が収益を上げることができない場合、RBFは企業にとって大きな負担となり、最終的にはデフォルト(返済不能)につながる可能性があります。

デフォルト時の具体的な状況は、RBFの契約内容によりますが、一般的には以下のような対応が考えられます:

  1. 再交渉
    企業と投資家が再度交渉を行い、返済条件を見直すことがあります。これには、返済額の減額や返済期間の延長などが含まれます。
  2. 資産の売却
    企業が自身の資産を売却し、その収益で借入金を返済することもあります。
  3. 投資家による企業の支配
  4. 最悪の場合、投資家が企業の経営権を握ることもあります。これは、投資家が企業の経営に介入し、企業の再建を試みるためです。

以上のように、RBFはその特性から一部の企業にとって有用な資金調達手段となり得ますが、そのリスクも理解した上で利用することが重要です。

 

RBFと他の資金調達方法との違い

RBF(Revenue-Based Financing)、ファクタリング、および他の一般的な資金調達手段(例えば、銀行融資やベンチャーキャピタル)は、それぞれ異なる特性と利点、リスクを持っています。以下にそれぞれの特性を比較します。

RBF(Revenue-Based Financing)の利点とリスク

利点:企業の所有者が自社の資本を保持しつつ、柔軟な返済条件のもとで資金を調達できます。返済額は企業の収益に連動して変動するため、収益が低い期間は返済額も低くなります。

リスク:収益が予測よりも低くなった場合、返済期間が延長され、返済総額が増える可能性があります。また、収益を上げることができない場合、RBFは企業にとって大きな負担となり、最終的にはデフォルト(返済不能)につながる可能性があります。

ファクタリングの利点とリスク

利点:企業は売掛金を売却することで即時に現金を得ることができます。これにより、資金繰りを改善し、新たな事業機会を追求することができます。

リスク:ファクタリングは一般的にコストが高いです。また、売掛金を売却することで、企業はその売掛金から得られるはずだった収益を失います。

銀行融資の利点とリスク

利点:銀行融資は一般的に低い金利で資金を調達できます。また、返済条件は通常固定されており、予測可能です。

リスク:銀行融資を受けるためには、一般的に良好な信用評価と担保が必要です。また、返済が滞ると、信用評価に悪影響を及ぼし、最悪の場合、担保を失う可能性があります。

ベンチャーキャピタルからの融資の利点とリスク

利点:特に急速な成長が必要なスタートアップ企業にとって、大量の資金調達を可能にし、ビジネスの知識やネットワークの提供によりビジネスの拡大や改善を支援し、さらに企業が利益を上げるまで返済を求めないため、ビジネスの成長に集中することができるという利点があります。

リスク:ベンチャーキャピタルのリスクとしては、企業の株式を購入することで既存の株主の所有権が希薄化される所有権の希薄化、投資家と経営者のビジョンが一致しない場合に投資先企業の経営に干渉する可能性、そして投資家が高いリターンを期待しているため、企業には高い利益を上げることが求められるという点が挙げられます。

RBFの審査で重視されることとは?

RBFの審査においては、以下の項目が重視されます。

  • 事業の将来性
  • 事業計画の策定
  • 経営者の経歴・能力
  • 事業の成長性
  • 事業のリスク
  • 事業の担保価値

これらの項目を総合的に判断し、RBFの融資を行うかどうかが決定されます。

特に、事業の将来性や事業計画の策定は、RBFの審査において最も重要視される項目です。事業の将来性が高いと判断されれば、RBFの融資を受けられる可能性が高くなります。また、事業計画が明確で、実現可能性が高いと判断されれば、RBFの融資を受けられる可能性が高くなります。

RBFでの資金調達を検討する場合は、これらの項目を十分に検討し、審査に備えることが重要です。

日本のRBFサービス「RBF by PAYTODAY」

「RBF by PAYTODAY」は、将来の売上(将来債権)を譲渡することで資金調達を行うサービスです。

rbf by paytoday

RBF by PAYTODAY

  • RBF(Revenue-Based Financing)とは、将来発生する売上を先に現金化する資金調達の方法です。これは「お金を借りる」わけではなく、「将来の売上(将来債権)を譲渡」するスキームです。
  • 売上が上がっているが、人材投資等が先行して赤字のスタートアップ企業でも、継続する売上があれば利用可能です。
  • RBFは、融資のように個人保証や不動産担保を求められることがなく、営業利益が上がっていない段階でも利用しやすくハードルが低くなっています。一方でVCのような株式の希薄化も起こりません。
  • ファクタリング取引では請求書(確定債権)を買い取るのに対して、RBFでは将来の売上(リカーリングリベニュー)を対象として資金を提供する仕組みです。

RBF by PAYTODAY利用の流れ

  1. アカウント作成
    まずはアカウントを作成します。作成は無料です。
  2. オンライン申請
    必要書類をオンラインでアップロードします。これには、将来の売上予測とその内容、直近6カ月以上の入出金明細、決算書等が含まれます。
  3. 審査
    提出された情報を元に審査を行い、結果を連絡します。
  4. 入金
    契約完了後、指定の銀行口座に入金します。

以上が「RBF by PAYTODAY」の概要です。スタートアップや中小企業が安定した売上見込みがある場合に、資金調達の一つの選択肢として利用できます。

https://rbf.paytoday.jp/

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